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1993 年度 研究成果報告書概要

非ケトーシス型高グリシン血症のDNA診断の開発

研究課題

研究課題/領域番号 03404033
研究種目

一般研究(A)

配分区分補助金
研究分野 小児科学
研究機関東北大学

研究代表者

多田 啓也  東北大学, 医学部, 教授 (20046907)

研究分担者 呉 繁夫  東北大学, 医学部, 助手 (70211191)
大浦 敏博  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (10176828)
研究期間 (年度) 1991 – 1993
キーワード高グリシン血症 / グリシン開裂酵素 / DNA診断 / 出生前診断
研究概要

非ケトーシス型高グリシン血症(NHK)は,新生児期に激烈な中枢神経症状を呈し数日中に死亡するか,生存し得ても重度の脳障害を残す疾患であり,体液中(血液,髄液,尿)グリシン濃度の著明な増量を示す先天代謝異常症である。本症の酵素欠損部位はグリシン開裂酵素であることは1969年我々によって初めて証明された。グリシン開裂酵素は,ヒトでは肝,腎に限局するので,これまで本症の確定診断には肝生檢が必要であった。しかし,該酵素の遺伝子は全ての細胞に存在する故,DNA診断が可能となれば臨床上極めて有用である。本研究は本症のDNA診断を開発する目的で行われた。
グリシン開裂酵素は4つの蛋白(P,H,T,L)から成る複合酵素であるが,本症の大部分がP蛋白の特異的欠損に基づくという我々のこれまでの研究成果からヒトP蛋白cDNAのクローニングを行った。かく得られたヒトP蛋白cDNAをプローブとして本症患児の遺伝子解析を行った結果,点変異,一塩基欠失,三塩基欠失,フレームシフト等色々な変異が病因として見出された。就中,頻度の多いS564I変異(G→T点変異の結果,P蛋白のN末端から564番目のセリンがイソロシンに置換)についてDNA診断法を確立した。PCRプライマーの1塩基を人工的に置換しておくことにより,正常アレルの場合は制限酵素RsaIで消化され,一方,異常アレルの場合にはSabIで消化される。この方法によりS54I変異を微量のDNA檢体(例えば乾燥濃紙血)を用いて筒便に診断し得る。さらに本変異のハイリスク家系について絨毛穿刺による少量の絨毛組織を用いて出生前診断を試み,診断が正確であることが確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tada,K.and Kure,S.: "Nonketotic hyperglycinemia:Molecular lesion and pathophysiology" International Pediatrics. 8. 9 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tada,K.and Kure,S.: "Nonketotic hyperglycinemia:Molecular lesion,diagnosis and pathophysiology" J.Inher.Metab.Dis.16. 691 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 多田啓也: "高グリシン血症の病因と発症機構:グリシン開裂系の生理と病理" 生化学. 65. 248 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 呉繁夫,多田啓也: "Nonketotic hyperglycinemia" 小児科診療. 56. 775 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tada, K.and Kure, S.: "Nonketotic hyperglycinemia : Molecular lesion and pathophysiology" International Pediatrics. 8. 9 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tada, K.and Kure, S.: "Nonketotic hyperglycinemia : Molecular lesion, diagnosis and pathophysiology" J.Inher.Metab.Dis.16. 691 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1995-03-27  

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