研究課題
イメージセンサからの実画像を立体画像化することで、マイクロ手術における視認性を向上させる検討をおこなった。2系統の平行に配置した直径1mmの細径内視鏡画像を合成して立体表示装置で提示し、立体像とした。2本の細径内視鏡の受光部の間隔が2mm〜3mmの範囲で良好な立体像が得られた。立体表示装置としてはヘッドマウントディスプレイと液晶シャッタメガネを用いた。ヘッドマウントディスプレイと液晶シャッタ方式での長時間の作業性について検討を行った。ヘッドマウントディスプレイでは、画質等は良好であるが、拘束感が強く、長時間の作業にはやや難がある。また、ヘッドマウントディスプレイは周囲の状況が見えず、閉塞感が強いため被験者によっては一時的な平衡感覚障害を起こし、「乗り物酔い」状態になることがあった。これに対し、液晶シャッタメガガネ方式では3OHzで交互に左右の眼鏡レンズの透過性を変えるため、画像がちらつき、かつ暗く感じられる。しかし、通常のメガネと同様な装着感であるため、長時間の作業においても特に目立った障害はなかった。いづれにしても、通常の顕微鏡の作業よりも疲労感が強く、立体映像提示方式についてはさらに改良が必要と思われた。現在単一の細径内視鏡で立体像が得られる手法について、開発を進めている。
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