研究課題/領域番号 |
03404037
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
幕内 雅敏 信州大学, 医学部, 教授 (60114641)
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研究分担者 |
池上 俊彦 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60232170)
橋倉 泰彦 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (10228398)
松波 英寿 信州大学, 医学部, 助手 (40219457)
川崎 誠治 信州大学, 医学部, 助教授 (80177667)
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キーワード | 肝移植 / 生体部分肝移植 / 肝不全 / 肝切除 / 血漿交換 / Selective Vasouler Occilusion Teohioque |
研究概要 |
生体部分肝移植手術を確立するためには、ドナー、レシピエント共に手術を安全に行わなければならない。ドナーの手術を安全に行うためには、術前検査で充分に肝機能をはじめとした健康状態をチェックし、CT、MRI、アンギオ、EROP等で解剖を検討しておくことが重要であることが確認された。術中は、出血量を軽減させるため、selective vaculer occlusion techniqueを使用してグラフトを作成したが、グラフトのバイアビリチーは損なわれることなく、出血量を調節しつつ良好なグラフトの作成が可能であった。ドナーヘの輸血は術前に貯血した自己血のみを使用し、銀行血は使血しなっかた。術後合併症としてはストレス性潰瘍3例、薬剤性肝炎1例認めたが、いずれも軽度で保存的療法で治癒し、全例社会復帰した。これらのことにより、我々が行っている術前管理、手術方法、術後管理はドナーの手術の安全性の確立のために有用な方法であると考えられる。 レシピエントの安全性の確立のためには、適切なグラフトを良い状態で移植することが要求される。カラードプラによる血管吻合後の血流評価は移植後のグラフトの状態を的確に表現しえることが明かとなり、カラードプラによる血流測定は、肝移植においてレシビエント手術を安全に行ううえで極めて重要であると思われる。また、術前血漿交換を行うことにより、より良好な状態で手術に臨むことが術後の良好な肝機能の改善に結びつくと考えられた。 親子間であるがゆえの至適免疫抑制は、脳死肝移植よりも低い免疫抑制剤の血中濃度で維持できる可能性が示唆されたが、結論が出せるにはいたっていない。
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