研究課題/領域番号 |
03404040
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤正 巖 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
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研究分担者 |
今西 薫 東京大学, 医学部, 助手 (70168516)
阿部 裕輔 東京大学, 医学部, 助手 (90193010)
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20197643)
満渕 邦彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (50192349)
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キーワード | 人工心臓 / アクチュエータ / 自動制御 / 埋め込みポンプ / 連続流 / センサ / 末梢循環 / 人工筋肉 |
研究概要 |
本研究は、種々の先端技術を駆使して人工心臓の研究開発の推進を計ることを目的としている。本年度は以下の研究成果を得た。 1 人工筋肉の設計論 過去2年間開発を進めてきた振動エネルギーで動く微小アクチュエータの設計論をブラウン運動を考慮した拡張ランジュバン方程式で記述することに成功した。そして、さらにそれを発展させて量子化したランジュバン方程式を導出した。これによって人工筋肉の設計・製作上の要件が明らかになった。 2 1/R制御方法の完成 人工心臓をそれを装着した生体自身に制御させようという世界で最初の試みである。本年度は、長期生存時の血行動態や血液生化学、ホルモン動態、さらには運動負荷に対する応答などについて研究を行った。その結果、人工心臓装着ヤギは最長360日生存(空気圧駆動人工心臓の動物実験では世界最長)し血行動態や血液生化学、ホルモン動態にも全く異常を認めなかった。また、トレッドミルによる運動負荷に対しても何ら制御パラメータを変えることなく極めて鋭敏に反応し、正常に対応できることが明らかになった。 3 新しい埋込型人工心臓の改良 昨年までに基礎開発した「流れ変換型拍動流完全人工心臓」および「小型容積型連続流血液ポンプ」の改良をさらに進めた。前者に関しては、静動脈血の混合が少ないポンプ構造を、後者については拍動流完全人工心臓への応用について研究開発を進め、著しい進展を見た。 4 新しい周辺技術の開発 人工心臓の研究を促進する周辺先端技術としてカテコラミンセンサ、末梢循環を連続観察するための小型埋め込み装置、材料表面へのタンパク吸着の様子を実時間で観察する装置などの開発を行った。
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