研究課題/領域番号 |
03404041
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (60028595)
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研究分担者 |
鬼頭 義次 国立循環器病センター病院, 心臓外科, 部長
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (40199691)
木下 正之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00183301)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
妙井 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00142183)
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キーワード | 腹壁内埋め込み型血液ポンプ / 心尖脱血 / 左心補助 / 補助人工心臓 / 電気インピ-ダンス |
研究概要 |
腹壁内埋込み型補助心臓(VAS)用血液ポンプとして、臨床用に開発された国循型体外設置VAS用ダイアフラム型血液ポンプを元に、腹壁内収納を考慮して形状を変更し、開発した。送・脱血カニュ-ラは、内径12mmの塩化ビニ-ル製チュ-ブを加工し、抗血栓性を高めるために内面をTMー3で被覆し、送血側は先端に人工血管を装着した。脱血側は、左室心尖より左室内に挿入することとし、心筋による圧迫閉塞防止のため先端部を強化した。血液ポンプの駆動は、現在する小型制御駆動装置(VCTー20および30)による空気圧駆動とし,駆動チュ-ブの皮膚貫通部にはskin cuffを装着した。膜擬循環回路による検討においては、最大7.3L/minの流量が得られた。成山羊5頭を用いた慢性実験において、ポンプ本体を左膜壁内に留置し、脱血は左室心尖より、また送血は下行大動脈に行ない、駆動チュ-ブは皮下トンネルを通して体外の駆動装置と接続した。本システムの装着および駆動は容易で、腹壁内への収納も特に問題はなかった。また、最長8週間の施行期間において、山羊の活動性は良好で、体位に関わらず安定した血行動態を示し、4.5〜6.6L/minの流量が得られた。さらに、ポンプ留置部や駆動チュ-ブ貫通部に特に感染を思わせる症候を認めなかった。現在、さらに長期間の施行について、抗血栓性を含め検討を進めている。また、腹壁内に収納した血液ポンプの駆動状態の連続モニタリングを行なうために、電気インピ-ダンス法による非侵襲的リアルタイム補助量測定装置の開発を進めている。また、患者のQuality of lifeを向上させるために携帯型駆動装置を試作し、模擬循環回路および動物実験において、その駆動特性の検討を進めている。
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