研究課題/領域番号 |
03404042
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉本 高志 東北大学, 医学部, 教授 (50091765)
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研究分担者 |
小川 彰 東北大学, 医学部, 助教授 (10204067)
大塚 泰一郎 東北大学, 理学部, 名誉教授
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キーワード | 磁気脳波 / 電気脳波 / 脳機能地図 / 超伝導量子干渉素子 / 視覚誘発反応 / 体性感覚誘発反応 / MRI / 電流双極子推定 |
研究概要 |
本年度は多機能に及ぶ脳の4次元機能地図の作成を行った。 昨年度より継続中の視覚誘発反応においては、パターンリバーサル反応のみならず、パターンオンセット反応に関しても異なる視野刺激に対応する脳機能地図の作成を行った。さらには、新しく光ファイバーを用いた刺激装置を工夫し、刺激の効果を高めるとともに磁気雑音の低減化をはかった。 新たに、聴覚誘発皮質反応においては、トーンバーストから約100ミリ秒後に出現する反応をとらえ、MRI画像上の第一次聴覚野に正確に重ね合わせることに成功した。この反応は、刺激した耳と反対側の脳にわずかに早く到達し、約10ミリ秒遅れて同側の聴覚野にも応答があることを見出した。さらに、周波数の異なった2つの音刺激を用い、一方の音の出現頻度を低すると極めて大きな信号が出現することをとらえた(mimatch field)。これも左右両側の聴覚野から由来することが伴明した。 さらに、体性感覚誘発反応においては、まず手の正中神経刺激後の反応をとらえ、これを正確に中心溝後部の第一次知覚野の手の領域に同定することに成功した。続いて、足の後けい骨神経刺激後の反応をとらえ、これが大脳半球間に面した中心溝最頂部の第一次知覚野足領域に存在することを同定した。このときの電流源は、左足刺激では反時計まわりに、右足刺激では時計まわりに数ミリ秒の間に回転することを初めて突止め、これが大脳知覚野での興奮の伝播に関与することを示した。 以上、本年度は視覚・聴覚・体性感覚の3つの刺激系を用いた多機能4次元機能地図を完成させることができた。今後、最後年度では多チャンネルの磁気脳波装置を用いる予定であり、さらなるmodalityの拡張とともに、本格的な臨床応用を目指す予定である。
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