研究課題/領域番号 |
03404050
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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研究分担者 |
山田 孝彦 東北大学, 医学部, 助手 (40191316)
石黒 誠一 東北大学, 医学部, 講師 (20111271)
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キーワード | 加令黄斑変性症 / 新生血管黄斑症 / 網膜色素上皮移植 / 硝子体手術 / 硝子体サンプリング / 実験的網膜色素上皮障害 / 病理組織学的検索 / 組織化学 |
研究概要 |
基礎研究では、家兎眼での硝子体手術によって、様々な病態作製や網膜色素上皮細胞移植が安定して行えるようになり、手術した家兎眼の検索を経時的に施行した。シリコンブラシを用いた人為的網膜色素上皮障害眼では、網膜色素上皮細胞の再生を確認し、さらにbacic fibrobrast growth factor(b-FGF)がその再生を促進することを発見した。これは、老人性円板状黄斑変性症の手術症例での視力予後を向上させる治療法開発への道を開くものである。網膜色素上皮移植の実験では、網膜色素上皮移植が家兎眼で成立することを確認し、組織化学的に視機能の回復の可能性を示すことができた。これらの成果は論文や学会で発表した。さらに、手術した家兎眼の視機能を評価するための一法として、網膜電図の測定を施行中した。しかし、手術した領域が小さいため、網膜色素上皮障害眼、網膜色素上皮細胞移植眼ともに網膜電図上で変化をとらえることができなかった。臨床的には、黄斑部疾患のための専門の外来を当科に開設した結果、種々の黄斑部疾患の患者の把握と経過観察が可能になった。その結果、手術適応となる老人性円板状黄斑変性症の症例が増え、網膜下病巣の組織像や視力予後についての新知見が数多く得られた。手術時に得られた硝子体サンプルの生化学的研究の継続の結果、硝子体中のアミノ酸組成が症例により異なってくることがわかった。現在も、アミノ酸組成、アスコルビン酸、乳酸濃度の測定が種々の症例で施行している。以上の成果は論文や学会で発表した。最近、老人性円板状黄斑変性症に対するレーザー治療の適否が議論されているが、我々も、適応を選んでレーザー照射による治療を開始した。
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