研究課題/領域番号 |
03404062
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神谷 暸 東京大学, 医学部(医), 教授 (50014072)
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研究分担者 |
柴田 政廣 東京大学, 医学部(医), 講師 (60158954)
安藤 譲二 東京大学, 医学部(医), 客員助教授 (20159528)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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キーワード | 血管内皮細胞 / ずり応力 / 一酸化窒素 / 細胞内Ca^<++> / 接着分子 / VCAM-1 |
研究概要 |
血流に対する血管内皮細胞反応を培養細胞と流れ負荷装置を用いたin vitroの実験で解析した。具体的には(1)流れ刺激の検知機構に関し細胞内Ca^<++>の動態の面から検討を加え、(2)流れに対する内皮の応答様式に関し内皮の平滑筋弛緩物質である一酸化窒素(NO)の産生から、(3)流れによる内皮の遺伝子発現に対する影響を接着分子のmRANレベルの変化から検索した。 (1)に関しては培養内皮細胞に流れ刺激が加わると細胞内Ca^<++>濃度が上昇する反応が起こった。この反応には細胞外ATPの存在が必要でATP濃度が500nMのとき流速に比例したCa^<++>上昇が生じた。灌流液の粘性を変える実験により流れによるCa^<++>上昇はATPの細胞表面への到達量を規定するずり速度よりも物理刺激であるずり応力に依存することが判明した。ヒトの血液中の正確なATP濃度は不明であるが仮に500nM付近とするとin vivoでも血流の変化を細胞内Ca^<++>濃度変化に変換して情報伝達する機構が働いている可能性が考えられた。 (2)では培養内皮細胞に流れ刺激を加えると細胞内cGMP濃度がずり応力に比例して上昇すること、およびこの反応がNO合成の特異的阻害薬で完全に消失するのを観察した。このことはずり応力が内皮のNO産生を亢進することを示唆しており、実際にin vivoで血流が増加すると急性的に血流が拡張する現象と関わっていると考えられた。 (3)マウスのリンパ節の細静脈内皮細胞に流れ刺激を加えると細胞表面の接着分子VCAM-1の発現が著明に抑制された。逆転写PCR法でmRNAを調べるとずり応力の強さ、時間依存性にそのレベルが低下するのが観察された。この結果はずり応力が内皮の遺伝子レベルに影響を及ぼすことを示している。 これらの研究成果は全て従来知られていない新しい知見であった。
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