研究課題/領域番号 |
03404063
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
角田 幸雄 近畿大学, 農学部, 教授 (80217364)
金田 安史 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (10177537)
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キーワード | 色素性乾皮症 / DNA修復 / 遺伝病 / 遺伝子診断 / 遺伝子ターゲッティング / キメラマウス |
研究概要 |
日光紫外線による高頻度皮膚癌発生と、種々の精神神経症状の発症を臨床的特徴とし、DNA除去修復に異常をもつ色素性乾皮症(XP)A群の原因遺伝子(XPAC遺伝子)をクローニングし、それを用いてA群XP患者の遺伝子解析、遺伝子ターゲッティング法によるA群XPマウス樹立を試みた。日本人A群XP患者についてXPAC遺伝子突然変異の解析を行ったが、我々が既にみつけている3種類の突然変異のいずれかの異常で発症していることが明らかになった。カペッキーらのポジティブ-ネガティブ選別法に添ってXPAC遺伝子ターゲッティングベクターを構築し、これをES細胞(F1/1株)にエレクトロポレーション法で導入し、G418,GANC抵抗性のクローンを得た。PCR法、ゲノムサザンブロット法により、これらのクローンから相同組換え体を選別した。このようにして得られたXPAC遺伝子欠損ヘテロ接合体ES細胞を、改変集合法により、ICRマウス8細胞期胚に注入し、キメラマウスを得た。さらに、キメラマウスをICRマウスと交配し、XPAC遺伝子欠損ヘテロ接合体マウスを得た。ヘテロ接合体マウスの雄と雌を交配したところ、野生型、ヘテロ接合体、ホモ接合体マウスが1:2:1の割合で得られた。いずれのマウスも、形態学的にも行動上でも異常は認められなかった。これらのマウスより、線維芽細胞を樹立し、紫外線感受性をコロニー形成能で調べたところ、野生型とヘテロ接合体マウス由来の細胞は、同程度の紫外線抵抗性を示したのに対し、ホモ接合体マウス由来の細胞はA群XP細胞と同程度の強い紫外線高感受性を示した。紫外線照射後の不定期DNA合成もバックグラウンドレべルであり、ホモ接合体マウスはA群XPのモデルマウスになる可能性が示唆された。
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