研究概要 |
1.インスリンシグナル伝達 インスリンによって細胞内から細胞膜に移動するGLUT4のトランスロケーションが、ミオシン軽鎖リン酸化酵素阻害剤であるML-9により抑制されることを明らかにした。更に、ML-9がMAPキナーゼを阻害することによりインスリンによる糖輸送活性の活性化を阻害する可能性を示唆した。また、PI3キナーゼ活性がインスリンにより亢進することを証明し、この際、IRS-1を含むチロシンリン酸化を受けた蛋白とPI3キナーゼが会合することがPI3キナーゼの活性化に重要であることを報告した。 2.ナトリウム利尿ペプチドレセプター ナトリウム利尿ペプチドファミリーの3種類のリガンドANP,BNP,CNPの3種類のレセプター、GC-A,GC-B,Cレセプターに対する選択性を明確にした。生体内では、大動脈中膜にGC-Aレセプターが主に発現しているのに対し、培養大動脈平滑筋細胞ではGC-BとCレセプターの発現しており、細胞表現型に伴うナトリウム利尿ペプチドレセプターのサブタイプの変換を見いだした。 3.エンドセリンレセプター ヒトのエンドセリンBレセプター遺伝子の構造を決定し、5'上流域の転写調節部位の構造を明らかにするとともに第13染色体上に存在することを証明した。 4.甲状腺ホルモンレセプター 全身型と下垂体型の甲状腺ホルモン不応症がともに甲状腺ホルモンレセプターβ1遺伝子の点突然変異によって、発症することを証明した。
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