研究課題/領域番号 |
03404067
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅野 茂隆 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
|
研究分担者 |
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00211681)
池淵 研二 東京大学, 医科学研究所, 講師 (20175194)
谷 憲三朗 東京大学, 医科学研究所, 講師 (00183864)
佐藤 典治 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90162461)
小澤 敬也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30137707)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | 未分化白血病細胞株 / HB-1 / 造血因子 / サイトカイン / 肥満細胞 / 造血幹細胞 / SCIDマウス / cDNAクローニング |
研究概要 |
慢性骨髄性白血病(CML)ブラストーマ由来ヌードマウス移植株のMB-1が肥満細胞増殖刺激活性を有することを見出した。肥満細胞に作用するサイトカインは造血幹細胞にも働く可能性が大きく、その同定ならびに遺伝子クローニングを試みた。また、その他のヒト未分化白血病細胞についても、その株化ならびにそれを用いた新しい造血因子の探索を行うことを計画した。 MB-1細胞については、その増殖動態を検討すると共に、TPA刺激により得た培養上清中の肥満細胞増殖刺激活性を調べ、その部分精製とcDNAクローニングを試みた。いずれもまだ最終段階には至らず、さらに検討を進めているが、このMB-1由来の因子が新奇のサイトカインであることを示唆するデータが得られている。 その他のヒト未分化白血病細胞については、in vitroの系ならびにSCIDマウスを用いたin vivoの系により細胞株の樹立を試みた。in vitro液体培養法では、9;11転座を有する単球性白血病細胞株IMS-M1を樹立することができ、その性状解析を行った。SCIDマウスへの移植では予想外に腫瘤形成効率は低かったが、適切なヒト造血因子の補充の必要性が考えられた。 その他、白血病細胞の特性に関する分子生物学的解析、新しい造血因子の開発を目的とした別のアプローチなどを試み、それぞれ一定の成果をあげることができた。例えば、造血系細胞への遺伝子導入による悪性形質転換とその性状解析、G-CSF刺激によりCML細胞で誘導される新しい遺伝子(GIG-1)のクローニング、マウス胚由来線維芽細胞株C3H10T1/2の5-azacytidine処理による高い造血支持活性を持つ前脂肪細胞株の樹立、ヒト胎児肝細胞由来cDNAライブラリーの作製などである。いずれも今後の研究の発展が期待できるものであると考えている。
|