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1993 年度 実績報告書

膜蛋白質の膜への組込みと膜内トポロジー形成の機構

研究課題

研究課題/領域番号 03404071
研究機関九州大学

研究代表者

木村 恒雄  九州大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80029933)

研究分担者 阪口 雅朗  九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30205736)
諸橋 憲一郎  九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30183114)
三原 勝芳  九州大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40029963)
キーワード膜蛋白質 / 生体膜 / 膜内トポロジー / 膜形成
研究概要

昨年度に引続き、小胞体膜への蛋白質の組み込み機構とミトコンドリアへの蛋白質の輸入機構について研究を進め、下記の結果を得た。これらの研究成果はいずれも論文として公表されている。
1.小胞体内腔に存在するカルボキシエステラーゼ群の1分子種が小胞体留置シグナルを欠くために肝細胞から血液中に分泌されることを培養細胞と全動物での実験で確認した(J.Bioche〓.,113.61-66)。
2.小胞体での蛋白質分子の膜透過機構を解析するため、無細胞実験系を用いて膜透過中のペプチドと膜蛋白質との化学架橋試薬による架橋実験を行ない、小細体膜の39kDaと9kDaの2種の蛋白質が膜透過中のペプチドと架橋されることを見いだした。39kDa蛋白質は既に報告されている膜蛋白質と同一らしいが9kDa蛋白質は新しい膜蛋白質である(J.Biochem.,114,541-546)。
3.ミクロソーム型P-450の小胞体膜への組み込みを無細胞系での実験と酵母細胞での発現実験により検討し、P-450aromではシグナルアンカー配列のN末端が内腔に露出していることを糖鎖の付加により証明した(J.Biol.Chem.,268,21399-21402)。またミクロソーム型P-450に共通にシグナルアンカー配列の直後に見られるプロリンに富んだ特殊な配列の機能をP-450(M-1)について調べ、この配列を改変する小胞体膜に組み込まれたP-450の高次構造形成に異常を来すことを確かめた(J.Biochem.,114,652-657)。
4.無細胞系でミトコンドリアへの前駆体蛋白質の輸入が肝細胞の上清分画で促進される現象を研究し、促進効果をもつ蛋白質因子を精製した。この蛋白質は無細胞系で合成された前駆体蛋白質をミトコンドリアへの輸入可能な構造に保持する機能をもつ分子シャペロンである(EMBO J.,12,1579-1586)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tomoko Kuroiwa: "Detection of a novel 9-kDa endoplasmic reticulum membrane protein in mammalian cells by chemical cross-linking with traslocating nascent peptides21GC01:J.Biochem." 114. 541-546 (1993)

  • [文献書誌] Soh Yamazaki: "Importance of the proline-rich region following signal-anchor sequence in the formation of correct conformation of microsomal cytochrome P-450s" J.Biochem.114. 652-657 (1993)

  • [文献書誌] Okura Shimozawa: "Core glycosylation of cytochrome P-450(arom).Evidence for localization of N-terminus of microsomal cytochrome P-450 in the lumen." J.Biol Chem.268. 21399-21402 (1993)

  • [文献書誌] Naomi Hachiya: "A mitochondrial import factor purified from rat liver cytosol is an ATP-depen-dent conformational modulator for precursor proteins" EMBO J.12. 1579-1586 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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