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1992 年度 実績報告書

G蛋白質と共役したグルタミン酸受容体の特徴と生理機能

研究課題

研究課題/領域番号 03404073
研究機関九州大学

研究代表者

杉山 博之  九州大学, 理学部, 教授 (20124224)

研究分担者 水上 令子  九州大学, 理学部, 助手 (00239302)
伊藤 功  九州大学, 理学部, 助教授 (20183741)
キーワードglutamate receptor / metabotropic / G protein / inositol phospholipid / hippocampus
研究概要

グルタミン酸受容体にはいくつかのサブタイプが知られているが、本研究計画ではこれらのサブタイプのうち我々が見いだしたG蛋白質共役型グルタミン酸受容体(mGluR)について特異的阻害剤の開発、細胞内反応機構、脳の高次機能における役割の解析などを行い、総合的な知見を確立することを目的とする。本年度は次のような成果を得た。
1.mGluRに対する選択的薬物の開発を試みた結果、3,5-ジヒドロキシフェニルグリシンがmGluRの特異的アゴニストであることを見い出した。
2.mGluRが細胞内で共役するGタンパク質の同定とその相互作用のメカニズム解析を試み、Gqサブファミリーの少なくとも2タイプが強くこの受容体と共役することを見いだしたが、そのうちの1つはフォスフォリパーゼCの活性化をむしろ抑制する形で機能すると考えられることを初めて見いだした。
3.mGluRの一つのサブタイプであるmGluR1遺伝子クローンを用いて、in situハイブリダイゼーション法およびノザンブロット法によってこの受容体のラット海馬内における分布と生後発生の様子を検討した。その結果、生後3日ころにはmGluRはきわめて僅かしか検出されず、海馬全体に一様に低いレベルにあるが、生後14日ころには歯状回顆粒細胞層およびCA3-CA2野に強い発現が見られるようになった。この分布パターンは成熟したラットにおいても変わらず、単に発生経過の時間的な問題ではなく、最終的な特異的分布であった。これらの結果は、CA3野の神経機能のメカニズムにmGluRが関与している可能性を強く示唆していると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] R.Minakami,E.Hirose,K.Yoshioka,R.Yoshimura,Y.Misumi,Y.Sakaki,M.Tohyama,H.Kiyama & H.Sugiyama: "Postnatal development of mRNA specific for a metabotropic glutamate receptor in the rat brain." Neuroscience Research. 15. 58-63 (1992)

  • [文献書誌] I.Ito,A.Kohda,S.Tanabe,E.Hirose, M.Hayashi, S.Mitsunaga & H.Sugiyama: "Dihydroxyphenylglycine: a potent agonist of metabotropic glutamate receptors." NeuroReport. 3. 1013-1016 (1992)

  • [文献書誌] H.Sugiyama(分担執筆): "Molecular Basis of Neuronal Connectivity(Eds. M.Satake, K.Obata, H.Hatanaka, E.Miyamoto and T.Okuyama)" Kohko-Do, Niigata, Japan, 199 (1992)

  • [文献書誌] H.Sugiyama & I.Ito(分担執筆): "Neuroreceptors, Ion Channels and the Brain(Eds. N.Kawai, T.Nakajima and E.Barnard)" Elsevier, Holland, 227 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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