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1992 年度 実績報告書

新しい脳下垂体ホルモン-ソマトラクチンの機能と遺伝子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03405007
研究機関北里大学

研究代表者

川内 浩司  北里大学, 水産学部, 教授 (70050523)

研究分担者 酒井 正博  北里大学, 水産学部, 講師 (20178536)
高橋 明義  北里大学, 水産学部, 講師 (10183849)
小野 雅夫  北里大学, 医学部, 講師 (40050645)
平野 哲也  東京大学, 海洋研, 教授 (70013571)
キーワードソマトラクチン / 脳下垂体ホルモン / 一次構造 / 遺伝子構造 / ソマトメジン様ペプチド / 脂肪代謝 / カルシウム代謝 / シロサケ
研究概要

安定なソマトラクチン(SL)を得るために、シロサケの他にティラピア、コイ、クロダイのSLについて精製法を検討した。トライトンXを含むリン酸緩衝液(pH8.0)で抽出し、スーパーデックス75でゲル濾過し、直ちに、逆相高速液体クロマトグラフィーで精製することによって迅速高収量に精製できた。また、この方法で調製したSLは比較的安定であった。ティラピア、コイ、クロダイSLの部分構造を決定し、コイSLには、ペプチド鎖の異なる2種類の分子を同定した。シロサケSLで免疫したマウスの脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させてモノクローナル抗体を調製した。しかし、この抗体は非競合二抗体法による酵素抗体法では十分な感度が得られなかった。一方、ポリクローナル抗体を種々調製し、特異性の高い抗体を選び上記の酵素抗体法を確立した。コバルト・ニジマスは、体色異常を示すとともに腹腔内に多量の脂肪を蓄積する。その脳下垂体は、脳から離れており、SL産生細胞とメラノトロピン細胞を欠損していることを免疫組織染色により明らかにした。また血中SL量は正常ニジマスに比べて著しく低いことも明らかにした。この結果は、コバルトニジマスの体色異常はメラノトロピン細胞の欠損に因り、脂肪の蓄積はSLの欠如に因ると解され、SLが脂肪の代謝(脂質分解)を促進することを示唆している。ニジマスを10mMカルシウムを含む水から淡水に移すと血中SL量は、目に有意に上昇した。昨年度の細胞学的知見と合せて、SLがカルシウム代謝に関与する証拠が得られた。肝臓のcDNAライブラリーから、ソマトメジン様ペプチド(SML)のcDNAを単離し、塩基配列を決定した。SMLの前駆タンパク質は、19残基のシグナルペプチドと73残基の成熟タンパク質からなる。この遺伝子は、腎臓や胃でも発現するが、脳下垂体や心臓では発現していないことが分った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Rand-Weaver,M.,Swanson,P.,Kawauchi,H.,Dickhoff,W.W.: "Somatolactin,a novel pituitary protein:purification and plasma levels during reproductive maturation of coho salmon." Journal of Endocrinology. 133. 393-403 (1992)

  • [文献書誌] Ono,M.,Takayama,Y.,Rand-Weaver,M.,Kawauchi,H.: "Molecular biology of somatolactin." Fish Physiology and Biochemistry.

  • [文献書誌] Sakata,S.,Noso,T.,Moriyama,S.,Hirano,T.,Kawauchi,H.: "Flounder growth hormone:Isolation,characterization and effects on growth of juvenile rainbow trout." General and comparative Endorinology.

  • [文献書誌] Kawauchi,H.: "Somatolactin,a new member of the growth hormone and prolactin family from the pars intermedia of teleost fishes." Proceeding of Toba Symposium.

  • [文献書誌] Kawauchi,H.: "Molecular evolution of the growth hormone gene family." Proceeding of 3rd Pacific Rim Biotechnology Conf.

  • [文献書誌] Rand-Weaver,M.,Kawauchi,H.,Ono,M.: "The Endocrinology of Growth,Development,and Metabolism in Vertebrates"" Schrebman,M.P.,Scanes,C.G.,& Pang,P.K.T.Academic Press Inc., 29 (1992)

  • [文献書誌] Kawauchi,H.: "Trends in Comparative Physiology and Biochemistry." University of Tokyo.Faculty of Science, 6 (1992)

  • [文献書誌] Rand-Weaver,M.,Kawauchi,H.: "The Biochemistry and Molecular Biology of Fishes" Hochachka,P.W.,& Mommseu,T.P.Elsevier Press.,

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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