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1993 年度 実績報告書

新しい脳下垂体ホルモン-ソマトラクチンの機能と遺伝子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03405007
研究機関北里大学

研究代表者

川内 浩司  北里大学, 水産学部, 教授 (70050523)

研究分担者 高橋 明義  北里大学, 水産学部, 講師 (10183849)
小野 雅夫  北里大学, 医学部, 講師 (40050645)
平野 哲也  東京大学, 海洋研究所, 教授 (70013571)
キーワードソマトラクチン / 脳下垂体ホルモン / 酸一塩基平衡 / 遺伝子 / 遺伝子発現 / 血中レベル / カルシウム調節 / 脂質代謝
研究概要

ニジマス脳下垂体中葉におけるソマトラクチン(SL)の発現と細胞内局在をシロサケのSLcDNAを用いて、インサイチュ-ハイブリザイゼイション法で証明した。また、金コロイド法によりSL免疫活性が分泌顆粒中にあることを示した。これらの細胞学的所見はSL細胞が内分泌細胞であることを支持する。昨年度までに、性成熟、環境水のカルシウム濃度の変動にともなって血中SLレベルが変動することから、SLがホルモンと定義できる要件を満たした。SLの機能を特定する研究の一環として、ニジマスを酸性水中に移したところ、血中のGHとPRLレベルの変動は認められないが、SL濃度が上昇することを発見した。この結果は、SLが酸・塩基平衡の調節に関与することを強く示唆している。シロサケSLのゲノム遺伝子の転写開始点の上流域に、哺乳類のGHおよびPRL遺伝子の転写因子であるPit-1の結合配列を見出した。シロサケのPit-1遺伝子を魚類で初めて同定した。365アミノ酸残基からなるシロサケPit-1に特異的な構造部分を含む融合タンパク質を大腸菌で発現させ、これを抗原として抗体を作成した。免疫組織染色により、ニジマスの脳下垂体の前葉のGHおよびPRL細胞の核のみならず、中葉のSL細胞の核にもPit-1が局在することを証明した。次に、Pit-1遺伝子を発現ベクターの下流に挿入したプラスミドとSLおよびGH遺伝子の転写調節領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入したプラスミドをヒーラ細胞に導入し、ルシフェラーゼ活性の増大を確認した。即ち、Pit-1は、GHのみならずSL遺伝子の転写調節領域に作用して、転写を活性化すると解される。このSL遺伝子のPit-1による活性化に必要な5′上流領域のサイズは0.5kbであった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kakizawa,S.,Kaneko,T.,Hasegawa,S.,Hirano,T.: "Activation of somatolactin cells in the pituitary of the rainbow trout Oncorhynchus mykiss by low environmental calcium." Gen.Comp.Endocrinol.91. 298-306 (1993)

  • [文献書誌] Kaneko,T.,Hasegawa,S.Yada,T.Hirano,T.: "Pituitary of‘Cobalt'variant of the rainbow trout separated from the hypothalamus lacks most pars intermedial and neurohypophysial tissue." Gen.Comp.Endocrinol.92. 31-40 (1993)

  • [文献書誌] Kaneko,T.,Hirano,T.: "Role of prolactin and somatolactin in calcium regulation in fish." J.Exp.Biol.184. 31-45 (1993)

  • [文献書誌] Kaneko,T.,Kakizawa,S.,Yada,T.,Hirano,T.: "Gene expression and intracellular localization of somatolactin the pituitary of rainbow trout.." Cell Tissue Res. 272. 11-16 (1993)

  • [文献書誌] Ono,M.,Harigai,T.,Kaneko,T.,Sato,Y.,Ihara,I.,Kawauchi,H.: "Pit-1/GHF-1 involvement in the gene expression of somatolactin." Mol.Endocrinol.8. 109-115 (1994)

  • [文献書誌] Kawauchi,H.: "Biotechnology-Theory and Applications" (Tien,W.,Chen,S-F.,Lo,L.,Shyu,T.T.,eds,) Development Center for Biotechnology,6 (1993)

  • [文献書誌] Rand-Weaver,M.,Kawauchi,H.: "The Biochemistry and Molecular Biology of Fishes" (Hochachka,P.W.,Mommseu,T.P.,eds) 39-56,Elsevier Press,18 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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