研究課題/領域番号 |
03451003
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
大谷 啓治 上智大学, 文学部, 教授 (30053557)
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研究分担者 |
渡部 菊郎 上智大学, 文学部, 講師 (30191810)
鈴木 宣明 上智大学, 文学部, 教授 (30053531)
RL シロニス 上智大学, 文学部, 教授 (60053500)
K リーゼンフーバー 上智大学, 中世思想研究所, 教授 (60053633)
J フィルハウス 上智大学, 神学部, 教授 (70053501)
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キーワード | 社会思想 / 教会 / トマス・アクィナス / 政教関係 / 中世社会 / フランシスコ会学派 / 唯名論 / 国際法思想 |
研究概要 |
前年度の研究に引き続き、本年度は13世紀初頭から16世紀初頭にかけての社会思想、とくに中世末期を重点において研究を行った。まず4月に本年度の研究方法を再検討し、各研究者の課題と各研究者の課題相互の関連を確かめた。同時に当該年度の設備備品費による図書購入について検討した。5月から7月までは13世紀の社会思想のさまざまな流れを研究課題とし、研究者を以下の3つのグループに分けた。1.フランシスコ会に代表される社会思想、2.アリストテレスの社会思想を中心とした学派(トマス・アクィナス)、3.13世紀末のアウグスティヌス学派。8月から12月までは14〜16世紀の社会観と社会理論を研究し、またその研究を3つのグループに分かれて行った。1.ォッカムなどのドイツ・イギリス唯名論の社会思想、とくに国家と教会関係を検討するとともに、14世紀における新しい自由意識による社会思想の変化を研究した。2.中世末期の歴史記述・世俗的社会哲学に見られる社会思想、とくに初期イタリア・ルネサンスと後期スコラ学との関係を吟味し、イタリア都市の思想家たちによる市民理念と15世紀の君主理念との緊張関係を検討した。3.16世紀スコラ学の社会理論・社会倫理学、とくにその国家観に及ぼした影響を検討し、宗教改革による国家の強化の思想的背景、新大陸の発見による国際法思想のスコラ学的展開とその双方の中世末期における起源との関係を探った。1月から3月までは総合研究を行い、中世末期の社会思想の全体的構造とそれが近世の社会論に及ぼした影響を検討し、本研究全体をまとめた。
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