研究概要 |
島根県隠岐郡西ノ島町において,地域活性化に取り組んでいる青年たちの組織に注目した。彼らの活動が,該当地域の祭や年中行事という宗教儀礼や民俗慣行に少なからず影響を与えていると予測した。本研究は、そこを出発点として,では彼らの活動が,どのように地域に反映しているか,あるいは,どのように反映するかということが,本研究の目的であった。また,彼らは,すでに出郷している人びとが組織した組織とも関与しようと考えている。そこにおいて,彼らの具体的な活動として,数年前から西ノ島全体を会場とした全国から参加者のあるオ-トバイによる『隠岐アイランドトライアル』を開催し,昨年(平成3年)には,「むらおこし事業ふるさとネットワ-ク」の一環として,島内はもちろん出郷者にも配布した『隠岐国』という出版物の発行,また本年中には,島外の学術団体との共同企画になる,島の祭や年中行事を核にしたVTRの作成を試みている。 このような状況のなかで,(1)該当地域の従来からの調査研究や報告,あるいは地誌(史)などの文献や資料の収集およびリスト作成(全員)。と同時に,それらの内容のデ-タベ-ス化をおこなった(宇野)。なお,デ-タベ-ス化は作業の途中にあり,平成4年度には完成予定。(2)現地調査。研究の分担に従い,現地調査をおこなった。祭・年中行事,そのVTR撮影の実態調査(小坂・宇野)。県レベルも含めた町の政策および経済,特に農業問題に関しての実態調査(宮島)。都市化における伝統的諸行事・慣行および組織の実態調査(斗鬼)。(3)コンピュ-タにおけるデ-タ処理および画像処理の修得とプログラム開発(宇野)。 以上が,本年度における研究の概要である。
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