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1992 年度 実績報告書

老化に伴う脳内報酬系の機能変化に関する生理心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03451013
研究機関筑波大学

研究代表者

岩崎 庸男  筑波大学, 心理学系, 教授 (70092509)

研究分担者 中原 大一郎  名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80128389)
古川 聡  筑波大学, 心理学系, 助手 (70229110)
キーワード老化 / マイクロダイアリシス / 自己刺激行動 / 報酬系 / ラット
研究概要

老化に伴う脳内報酬系の変化を調べるために、マイクロダイアリシス法を用いてラットの脳内モノアミンとその代謝産物量を測定した。被験体は近交系のF344/Ducri系雄ラットで、若齢群(4〜6か月齢)と老齢群(20〜22か月齢)のラットを用いた。自己刺激用電極は左右の外側視床下部に、ダイアリシス用プローブは左側坐核にそれぞれ埋め込んだ。自己刺激訓練は術後4日ないし一週間で始め、オペラント箱内で100ヘルツのパルス波を与えながら、強化効果を持ちかつ運動に支障がない電流強度を定めた。自己刺激中のダイアリシス実験は訓練の翌日に行い、1時間のベースライン測定後、自己刺激中の測定を1時間、自己刺激後の測定を2時間行った。その結果、老齢群も若齢群も自己刺激中にベースラインの1.5倍の量の脳内ドパミンを放出することが明らかになった。しかし、若齢群ではドパミンの代謝産物であるDOPACやHVAが2倍近く増加するにの対して、老齢群ではそのような著しい増加は観察されなかった。
続いて、高濃度のカリウムを負荷して神経伝達物質の放出を促進させる実験を行ったところ、老齢群はカリウム溶液に対してドパミン放出量の増加を示し、その増加百分率は若齢群を上回っていた。代謝産物のカリウム負荷に伴う減少は老齢群でやや低く、代謝回転の低下が見られた。
これらのことから、老化に伴い、自己刺激行動に変化は見られないものの、報酬系である脳内ドパミン系の神経終末数が減少していること、終末での再取り込み機能に何らかの変化がみられることが示唆される。今後はドパミン系終末の数と、個々の終末の機能的変化を特定するような実験が望まれる。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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