研究課題/領域番号 |
03451014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大村 彰道 東京大学, 教育学部, 教授 (60037041)
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研究分担者 |
遠藤 利彦 東京大学, 教育学部, 助手 (90242106)
秋田 喜代美 東京大学, 教育学部, 助手 (00242107)
竹綱 誠一郎 学習院大学, 文学部, 助教授 (90188201)
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キーワード | プライミング / 物語理解 / 文章理解 / 動機づけ / 自己決定感 / 授業研究 / 問題解決 / 概念学習 |
研究概要 |
1.俳句の学習と検索:5-7-5という特別の音韻構造を持つ俳句を学習した後に、どのような知識表象ができ上るのかを調べる一方策として、記憶のプライミング実験をおこなった。すなわち、5-7-5という3要素のうち1つをプライム(検索手がかり)とし、別の1要素をターゲットとして連続的に提示し、両方が同一の俳句の要素であるか否がを判断させた。学習の程度に応じて、検索時間にどのような違いが生ずるかも調べている。日本教育心理学会に発表予定である。 2.絵本読み場面における母子相互作用の分析:13組の3歳児と母との絵本読み場面を観察し、母の子どもに対する発話を分析した。同じ本を子どもが4歳になった時にも読みきかせ、発話の変化を調べた。発話カテゴリーの種類や発話数、ターン数、子どもへのフィードバック、絵についての質問が減少した。子どものメタ認知を尋ねる質問のみが増加した。ブリユッセルの国際心理学会で、以上の結果を発表した。 3.演繹的推理の分析:「pならばq」というルールが成立するか否かを検査させるWasonの4枚カード問題の分析をおこなった。「ルールの当然さ」によって学生の用いる検査のストラテジーが変化することを証明する研究を継続中である。 4.授業分析:活発な議論を中心として進行していく授業を観察し、そこでの教師の発言の特徴を明らかにした。授業研究の難しさを考察する論文をまとめた。 5.その他:動機づけとも深くかかわる愛着研究の展望と、1980年代後半から盛んになって来た概念学習研究の新動向の展望とをおこなった。物語における識知的理解ばかりでなく、情動的理解の研究を進行中である。
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