研究課題/領域番号 |
03451018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白石 純三 大阪大学, 健康体育部, 教授 (80028456)
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研究分担者 |
日野林 俊彦 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (80156611)
奥田 純一郎 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (30093389)
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キーワード | 意欲減退学生 / ステュ-デント・アパシ- / UPI(University Personality Inventory) / 精神生理学 / ポリグラフ |
研究概要 |
1.精神生理学的デ-タの収集:脳波、眼球運動、顔面表情筋筋電図などから成るポリグラフ測定を、現在までに健常学生16名、Waltersや笠原の記載する特徴的心性を有する意欲減退学生10名に施行し、指示暗算、自己暗算および閃光刺激負荷前後の各種指標を両群で比較した。閉瞼状態における低振幅急速眼球運動(r)の出現頻度は、群間平均値の比較では、暗算負荷に際して、意欲減退群では健常群に比し増加率が大であったが、刺激負荷後の減少(回復)率が少ない傾向が認められた。しかし、一部の症例では、安静時のrの出現回数は少なく、負荷に対する反応の極めて小さい者も存在した。顔面筋電図では、シュウ眉筋筋電図の平均振幅は意欲減退群では負荷によりほぼ健常群と同様の変化パタ-ンを示したが、各種負荷前後を通じてその水準が健常群よりも低値であった。頤筋では、安静時および暗算負荷時の振幅の水準が意欲減退群で低く、負荷終了後に減少を示し難い傾向がみられた。これらの結果より、意欲減退群では心的緊張の水準の低下および精神作業負荷による反応性緊張からの回復に問題があることが示唆された。2.意欲減退行動の背景に関する検討:意欲減退学生51名について、UPI(University Personality Inventory)の成績を一般学生(16,943名)のものと比較検討した。意欲減退学生では、一般学生に比し、明るさや活動性を示すライスケ-ル項目の平均得点が低く、逆に自覚症状項目の得点が有意に高値であり、内容的には、気力・知的能力・身体機能の減退感や抑うつ傾向、自己不確実感や不安、離人症様症状、感情の不安定などに及んだが、陽性回答率の差の最も大きかったのは「他人に相手にされない」、「つきあいが嫌いである」を最上位とする対人関係の困難を示す7項目について認められた。我々はこれを他者からの基本的"被受容感"の形成不全として捉え、従来から指摘されていた選択的退却の機制との関連性につき考察した。
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