今日、家庭の中にもさまざまな情報機器が入ってきており、家庭生活も情報化してきているとみることができる。本研究で問題とした家庭情報化とは、家族の成員により使用されるために作られた情報機器の家庭の中への普及を意味する。家庭情報化にともなう情報機器の新な機能として、(1)記憶機能(電話器の利用形態の変化)、(2)保安機能、(3)維持機能(メンテナンス)、(4)エネルギ-保存機能、(5)コミュニケ-ション機能をあげることができる。これらの新な機能が、どのように機能しているかを把握することが本研究の一つの目的であった。そこで、この機能を具体的にみるために、家庭生活を(1)最低限の文明的な生活を送るのに必要な諸活動(衣食住、睡眠、入浴などの身だしなみ、家事労働)、(2)家計の維持及び管理(自営業や在宅就業労働を含む)、(3)子どものしつけ、教育、(4)余暇活動(休息、娯楽、自己啓発、文化活動)の4つの領域に分けて、各々における進行状況を捉えることを行っている。 また、63年度科研費で実施した諏訪広域地域での「高度情報化と住民生活」の研究の中で、地域密着型メディアとされるCATVを取りあげたとき、ニュ-メディアの発達に伴った情報化の進展は地域社会を変化させつつあるといった結果が得られた。そこで、さらにニュ-メディア(CATV)と地域住民生活との関係の分析を深めることをねらいとして、前回の質問項目を検討修正した調査項目を作成した。調査は、自主放送にかなり力を入れているCATV富士五湖の放送エリアである富士吉田市において実施した。対象者はCATV加入者世帯、有料チャンネル加入者世帯より抽出し、留置方法で質問紙調査を行った。その結果、有効票1000サンプル得ることができた。また、この調査結果を分析するための必要な資料の収集や聴取り調査も実施した。
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