研究概要 |
昨年度は学卒採用に関わる企業側の経費を把握するために、1,683社を対象に学種別内定者数、学種別応募経路、学種別定着率、採用経費、リクルーター制度などについて質問紙調査を行った。 本年度は学生の側から、就職活動にかかる金銭的・時間的コストを文系と理系で比較しながら把握することを研究の目的とした。当初は首都圏と地方の国・私立大学の学生15人に就職活動の克明な記録をつけてもらい、それに基づき約1,000人の学生を対象に質問紙調査を実施する予定であったが、(1)不況の進行で学卒の就職戦線が極端に悪化し、事例研究への協力が得られる情勢ではなくなったこと。(2)毎年の学生の就職活動の実態については民間の就職情報産業が調査を行っておりそれが利用できること、などの理由から事例調査はあきらめ、質問紙調査主体に切り換えた。 文科系(自由応募制が主体)と理科系(推薦制が主体)の比較を主眼とすることから、調査対象大学は全て総合大学とし、また就職活動にかかる金銭的・時間的コストを主題とすることから、地方国立、首都圏国立、首都圏私立、地方私立の4大学を選んだ。対象とした学生は文科系(法学部、経済・商学部)2学部、理科系(理学部、工学部)2学部の総計3,630名である。 質問項目は卒業後の進路、内定取消の有無、就職活動の種類、内定先会社の種類(就職活動の種類別)、大学での就職指導、就職活動に要した時間・経費、就職活動への満足度などである。3月1日に発送し、15日現在、転居先不明票169通、回収された調査票523通で、回収率は15.1%である。催促なしの郵送調査で2週間以内の回収率としては標準的な結果である。 次年度は昨年度の企業調査及び本年度の学生調査をとりまとめる。
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