研究課題/領域番号 |
03451047
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
岩木 秀夫 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90114389)
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研究分担者 |
吉本 圭一 放送教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (30249924)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 新規学卒採用経費 / 学種間比較 / 自由応募制 / 学校推薦制 / 就職活動に要するコスト / 採用計画充足率 / 就職活動への満足度 |
研究概要 |
3年度(「学卒採用に関する調査」平成4年2月)ならびに平成4年度の研究(「大学生の就職活動や採用内定状況に関する調査」平成5年3月)をとりまとめ、『企業の新卒採用活動と学生の就職活動の費用と便益に関する研究』を印刷した。報告書の概要は以下の通りである。平成4年3月の新卒者の採用一人当たりに企業が支出した経費は、調査対象523社平均で69.4万円である。新卒者は合計155万4千人であるから、わが国の企業は総額1兆円を超える規模の経費を支出したと推定される。しかし、問題は採用経路による変動である。自由応募方式に比べて学校経由方式は、採用経費が約半分で済んでいる。18歳人口が減少を続ける今後、企業同士が縮小する一方の新卒市場をめぐって繰り広げる争奪戦を市場原理に任せた場合に、学校が積極的に関与する場合に比べて倍の経費が支出されることになることを、これは物語っている。自由応募方式が採用計画充足率の点で学校経由方式をリードする部分はたかだか10%程度のものに過ぎない。また、就職活動に対する学生の満足度の点で自由応募方式が学校経由方式に対してもっているリードは、たかだか5%未満のものに過ぎない。したがって、自由応募方式の下で企業が支出している採用経費の約半分は、企業自身の採用効率からみても、学生の就職活動への満足度の点からみても、ほぼ無駄な支出と考えて差し支えない。企業側には、大学の学校・学科・研究室推薦の拡大を求める声が強く、就職協定についても一応の目安としての存続を考える姿勢が強い。また、就職活動に対する学生の不満点としては、「会社内容を検討する知識が不足していた」「自分の適性が分からなかった」の2つが他の項目を圧倒している。国民経済上の効率の点からも、また、企業、学生の双方に対する便益の点からも、卒者の就職に大学が高校並に積極的に関与することが求められている。
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