研究分担者 |
千本 秀樹 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (30197628)
波多野 澄雄 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (00208521)
池田 元 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (80151299)
広神 清 筑波大学, 哲学・思想学系, 教授 (20042509)
嶋田 厚 筑波大学, 哲学・思想学系, 教授 (30091903)
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研究概要 |
1920年代は民衆の拾頭と多様な運動の展開にみられる政治的・社会的・文化的再編の時代である。本研究は「理想主義と現実主義」「伝統と革新」の交錯関係を軸に,1920年代の多様な社会運動・文化運動・宗教運動の形成と展開の諸相を,都市と農村の「民衆生活の場」においてとらえようとするもので,新たな1920年代像の構築を模索せんとするものである。何よりイデオロギー的裁断を排し,研究対象の諸運動がなぜ当時の民衆生活の場で力をもち得たのか,徹底してその運動や思想の個別的形成・展開過程に内在することによって,従来の状況論的一般通説を評判し問い直さんとする努力をした。 平成3・4年度ともに,1920年代の都市風俗・文化,農本自治・労働社会運動,新旧宗教運動,自由教育運動,軍隊生活関係の文献調査と地域調査を,研究分担者の個別テーマに即して実施し,定例研究会で次のような主要な研究報告を行った。 大濱徹也 「淫祠邪教と類似宗教」 嶋田 厚 「第二次モダニゼーションー帝国工芸会をめぐって」 広神 清 「和辻哲郎における思想転回」 門脇厚司 「大正期新学校支持層の社会的特性」 熊倉功夫 「白樺派と民芸運動」 池田 元 「大正『社会』主義と農本主義運動の転回」 波多野澄雄「『総力戦』段階への対応ー1920年代の陸軍」 千本秀樹 「日本労働総同盟の発展と若き日の西尾末広」 また,平成4年度末には,新しい資料の復刻とその解説論文を中心とした研究成果報告書『1920年代の都市と農村』を刊行するに至った。
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