研究課題/領域番号 |
03451054
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
花登 正宏 東北大学, 文学部, 助教授 (60107175)
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研究分担者 |
平田 茂樹 東北大学, 文学部, 助手 (90228784)
山田 勝芳 東北大学, 教養部, 教授 (20002553)
安田 二郎 東北大学, 文学部, 教授 (90036666)
村上 哲見 東北大学, 文学部, 教授 (70005734)
寺田 隆信 東北大学, 文学部, 教授 (80004034)
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キーワード | 士大夫 / 文人 / 琴棋書畫 / 処士 / 官僚 / 隠逸 |
研究概要 |
士大夫の趣味としてあげられる代表的なものは、琴・棊・書・畫であり、その生活のスタイルとしては、文人生活、処士生活、官僚生活、隠逸生活、交遊生活などが考えられる。その種々相と相互関係を明らかにするのが、本研究の最終目標であるが、本年度においては、各研究分担者が分担課題についての理解を深めることを重点目標とする一方、11月30、12月1日の雨日、研究報告会を開き、寺田と村上が報告を行った。寺田は士大夫の遊びの一つとしての賭博をとりあげ、唐宋時代に行われたと認められる「出九」について、これは田来の研究においては不明とされているが、一種の冒險貸借であることを証明した。村上は宋末元初の文人たちの処世、つまり漢族王朝宋が滅亡しモンゴル王朝元が成立する動乱の時代を生きた文人たちの姿勢に2通りがあること、一方は元に仕えた者、他方は仕えなかった者にわけられ、從来の解釈では前者を貮臣、後者を遺民としたが、これは誤りであること、彼ら自身の認識するところでは、元に仕えたか仕えなかったかは、宋に対する忠誠心などとは関係なく、たまたま事情があってそうなっただけであること、一部には宋への強烈な忠誠心を貫いた人もなかったわけではないが、彼らは例外的な存在であったこと、文人たる者が忠誠をつくすべき対象は、永遠なる漢民族の文化的伝統であって、個々の王朝などではなかったこと、…などを指摘した。以上、寺田・村上の報告に対しては、出席した各分担者から活発な意見が開陳された。
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