研究概要 |
平成三年度の研究計画は、予定通りの成果をおげた。その主な内容は以下の通りである。 1.草稿のコ-パス作成ーフロベ-ル主要作品に関し,入手可能なものはほぼすべて,マイクロフィルム(M)もしくはコピ-(C)の形で収集することができた。『ボヴァリ-夫人』(M.C)『サラムボ-』(C)『感情教育』(M.C.ただしMは借用)『聖アントワ-ヌの誘或』(C)『三つの物語』(C)『ブヴァ-ルとペキュシェ』(M.C)の6典である。 2.『ボヴァリ-夫人』研究ー補助員を依頼し、3500枚に及ぶ草稿の全ペ-ジの表面と裏面の内容を把握する作業がおこなわれた。現在資料全体につき,第一回の調査がほぼ完了し,問題点が洗い出されたところであり,平成四年度に草稿の内容リストを作成することを目標として向題点の検討に入る。 3.『感情教育』研究ー東京大学人文系大学院の講義において資料として活用し,Wetheriltによる『感情教育』のedition Critigue との比較検討をおこなった。その結果,Appendice Iのedition telegraphigueが文献学的基礎を欠いたものであることを確認した。この点についても報告を公表する予定である。 4.『ブヴァ-ルとペキュシェ』研究ーマイクロフィルムを購入し,業者に依頼して全体をプリンタ-にかけた。7000枚をこえるコピ-に,まず通し番号を打ち,さらに,Cento.Bolleneなどの研究業績を参照しつつ,内容の大まかな把握と分類をおこなうことが,現在予定されている。
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