研究課題/領域番号 |
03451065
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鈴木 重幸 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70017721)
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研究分担者 |
生越 直樹 国立国語研究所, 日本語教育センター, 第4研究室室長 (90152454)
森口 恒一 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (10145279)
工藤 真由美 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (30186415)
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キーワード | テンス・システム / テンポラリティ- / アスペクチュアリティ- / タガログ語 / セブアノ語 / 補助動詞 / 朝鮮語 / 中国語 |
研究概要 |
1.〈はなしあい〉と〈かたり〉という2つのテキスト(ディスコ-ス)のタイプをとり出し、絶対的テンス用法、相対的テンス用法、歴史的現在用法、発見的過去用法の分析を行なった。その結果、小説の会話文を中心とする〈はなしあい〉と、小説の地の文を中心とする〈かたり〉では、スル、シタ、シテイル、シテイタのテンス的意味・機能が質的に異なったものとなることを明らかにしつつある。また、機能・意味的カテゴリ-としてのテンポラリティ-、アスペリチュアリティ-の分析を行なうために、時間名詞の用例の収集を行なった。 2.日本語を東南アジアの言語(特に、フィリピン・台湾の諸語)との対照を行う前段階として、フィリピン諸語の中でテンス・アスペクトで興味深い対立を示すタガログ諸とセブアノ諸の比較を行った。その結果、もともとはフィリピン諸語ではテンスという概念がなく、セブアノ語のテンス・システムは、後になって発生したものであることがわかった。現在は、その発生のメカニズムを研究中であり、今後の日本語との対照へ役に立つような理論的な整理を行っている。 3.朝鮮語と日本語の対照に関しては、朝鮮語で書かれた文学作品をパソコンにデ-タとして入力するとともに、そのデ-タの処理方法について検討した。朝鮮語のデ-タは既存のソフトウェアがほとんど使えないため、その効率的な利用法については、専門家の協力を得るなどもう少し時間が必要である。朝鮮語のテンス・アスペクトに関わる諸形式のうち、時に補助動詞による表現について、分析を進めた。 4.日本語と中国語のテンス・アスペクトに関する先行研究文献を収集し、研究方法を検討した。中国語のコンピュ-タソフトを購入し、デ-タベ-ス及び論文の作成にむけて研究環境の整備を行った。
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