研究概要 |
本研究の課題は,企業の多国籍化と企業経営のマイクロエレクトロニクス(ME・OA)化の進展のもとでの企業内教育訓練の内容について,特にホワイトカラ-教育を中心に,日本,ドイツ,韓国を念頭に,国際比較の視点から明らかにすることである。本年度は,教育訓練に関する文献を蒐集し,主要文献の要旨を報告し合い討論を重ねるとともに,会社訪問によるインタビュ-調査を行なった。調査対象企業は,電器製造企業M社,銀行業T行,工作機械企業M社,楽器製造企業Y社であった。製造業,金融業でも,大規模企業では,中級・上級管理者に対しても教育訓練が体系的に行なわれているのたいして,中規模製造企業では,エンジニア,技術者に対する教育訓練は重視されているが,経営全般に関する中級・上級の管理者に対する教育は,必らずしも体系的に行なわれているといえなかった。 これらの調査から,本年度の後半において,特に製造業の中級・上級管理者の教育訓練体系・カリキュラムなどについての調査表と,さらにス-パマ-ケット,デパ-トなどの商業分野における企業の非正規従業員(パ-トタイマ-)の教育訓練に関する調査表の作成に,それぞれあたった。 国際比較に関しては,ドイツ,韓国の教育訓練に関する文献が少ないこともあり,ドイツについては若干の成果しか上げられず,また韓国についてはほとんど研究を進展させることができなかった。韓国については,韓国の研究者に依頼し直接アンケ-トをとることによって,その内容がある程度明らかになるのではないか,と期待している。 来年度は,作成したアンケ-トにより,会社訪問インタビュ-,さらに文献研究を重ね,より充実した国際(日独韓)統一アンケ-トを作成し,当初予定した研究成果を上げるよう努力したい。
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