研究課題/領域番号 |
03451085
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足達 富士夫 北海道大学, 工学部, 教授 (70031648)
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研究分担者 |
住谷 浩 北海道工業大学, 助教授 (40048054)
森下 満 北海道大学, 工学部, 助手 (10091513)
野口 孝博 北海道大学, 工学部, 助手 (10113599)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 北海道 / 農村住宅 / 変化 / 住生活様式 / 住宅平面 / 住宅計画 / 追跡調査 / Housing Research |
研究概要 |
本研究では、1950年、1974年、1980年、1991年の4時点に同一地域で同じ農家を対象にしておこなった追跡調査の結果をもとに、北海道農村住宅と住生活の戦後変化の実態をとらえ、変化の意味と今後の方向について考察することを目的にしている。 1950年、横山尊雄(北海道大学・北海道工業大学名誉教授)他3名によって、北海道農村住宅の現状について建築・住生活の視点から最初の研究が行われ、改善についての具体的提案もなされた。調査結果から、(1)住宅の防寒性能は極めて低かったこと(2)規模や質の格差が大きかったこと(3)田の字の伝統的間取りが主流だったこと、など当時の北海道の農村住宅事情をつぶさに知ることができる。 1974年と1980年に、1950年調査との比較の意味もこめて同様の調査をおこなった(ただし酪農村という形が現れたので1地域を加えた)。1974年調査では、全般的に規模や質の格差がすくなくなったこと。建築時期が昭和40年代の住宅は、都市の戸建て住宅と同じような空間構成を基本としていること。夫婦寝室や子供室などの個室が専用室化する一方で、続き間座敷の機能を存続させる動きのあることが明らかになり、裏口の広さや居間・食事室の計画と生活との矛盾を指摘した。また1980年調査においては、個室の専用室化と座敷の充実が進む一方で、1974年調査後指摘した問題点を改善する動きを知った。即ち、裏口を拡大し、それまでの勝手口程度の規模から、農作業衣を置くスペースやそれに隣接して休息スペースを設ける動き。また、ワンルーム化したLDKを分離し、Lの接客機能を充実する動きなどである。1991年、1974年調査・1980年調査と同様の調査を実施し、戦後激しく変貌した北海道農村住宅が、公私室機能を明確に分離した独特の空間構成を創り出し、それを前提にした住生活が確実に形成されていることを確認した。
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