1.既存資料の整理:学校保健と地域保健の連携に関する文献をJICSTを用いて1980年から1990年まで検索し、36件の一次資料を得た。また、学校保健学会、思春期学会、公衆衛生学会の学術集会で発表された演題についても検索した。 2.実地踏査:アンケ-ト票作成の前段階として、学校と保健所が緊密な連携をとった活動をして成果をあげている地域4カ所を選定して、訪問調査した。調査内容は連携の契機、形態、目的、内容、関係職種、問題点等である。 1.2の結果から、保健所と学校保健の連携について、以下の4点が明らかになった。 ・健全母子育成事業が昭和59年から実施され、思春期にある子どもとその親に焦点を当てた活動が都道府県、保健所を中心にして展開され、いくつかの活動事例が報告されている。 ・中学校の生徒の健康問題は、小学校の健康問題の延長と考えられることが多い。 ・保健所では小学校就学前までの幼児とその親に対して健康支援を行っているが、就学以降の継続支援や健康問題の解決については、管轄省庁の相違等によって、学校との連携が必ずしも十分機能しなくなる。 ・保健所と小学校との健康問題における連携に関すり研究がほとんどみられない。 そこで本研究では、思春期にはいる前段階での「小学校」に焦点を当てて、調査を実施することにした。
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