研究概要 |
1.平成3年度は,わが国の海外進出企業の実態から国際的都市システムを分析するため,次のような手順で研究をすすめた。 2.a)各種文献の収集とその分析,とくに北アメリカとヨ-ロッパの実態と問題点の抽出。b)海外進出企業総覧(東洋経済新報社)を利用し,これら企業の進出状況についての統計的分析。c)3名を分担を定め,それぞれ本社などにおいて面接調査を実施した。 3.日本地理学会(松江市),東北地理学会(秋田市)などに際じ,研究連絡を行うとともに,都市システム研究者との連絡を密にして,研究全体の位置づけを明確にするよう努めた。 4.日本において,国際的都市システムを主題に,本格的に調査分析を行ったのは本研究が最初である。 5.概説的に成果を述べれば,次の通りである。 1)企業の海外進出状況からみると,わが国を中心とした国際的都市システムは,生産拠点,輸入販売拠点(自動車など)により,進出形態が異なる。 2)商社の輸出入に深く関与する総合商社は,首都に支店・駐在員事務所を配置している例が多い。 3)都市間結合のネットワ-クの太さ,機能が把握される(次年度)。 4)海外拠点を管理運営する組織形態には縦組織制と横組織制とがあり、管理は縦,運営は横が基本となっている。 5)組織ネットワ-ク形態では,本社直轄型と,副次的地域総括型とがある。 6.平成4年度においては,平成3年度の調査を体系的にまとめ,研究成果報告書を作成したい。
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