研究概要 |
本研究はアメリカ合衆国における社会科の成立と発展の基礎を築いた先駆者の内の一人,Harold O.Rugg(1886-1960)を取り上げ,社会科教育の基本的理論を解明し,社会科の存立の根拠を明らかにすることをねらった。そのため,研究に当たってはRuggに関する文献の意集と整理を第1に行った。報告書では主要文献のリストをあげている。第1次資料としては,Ruggが著述した書物,社会科教科書及び論文をまとめた。続いて、アメリア合衆国で発表されたRugg研究のための論文や博士論文及び我が国で発表されたRuggについての研究論文を一括して示した。そして,Rugg研究に必要な当時の教育思潮に関する書物,して,Ruggの弟子による研究書の一覧を示した。 次に,Rugg社会科の本質と理論を理解するため教科書シリーズを検討することにした。その1つは,“Sorial Science Pamplets"であり,他の1つは“Man and His Changing Soriety"である。Ruggは社会科カリキュラムにおける教材選択の基準を社会的価値に求めた。そして現代社会の重要問題を取り上げるのであるが,その問題の解決に当たっては,社会的事実を地理的,歴史的,公民的に分析するとともに,統合的に理解することをねらっている。 Ruggは,教育思潮の面からみると教育改造主義に立つといわれている。すなわち,社会の発展を教育は目指す必要があるが,その場合,社会工学を適用するばかりではなく,個人の創造的,文化的活動が期待されるのである。 終わりに,報告書の内容目次をかかげたい。I.Harold OrdwayRuggの生涯と業績,II.Rugg,“Sor ial Sc ience Pamphlets"における社会科の本質,III.H.O.Rugg,“Changing Cinilizations in the ModernWorld"の内容構成原理.IV.Bibliography.
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