研究分担者 |
中村 博昭 東京大学, 理学部, 助手 (60217883)
中山 昇 東京大学, 理学部, 講師 (10189079)
斎藤 毅 東京大学, 理学部, 講師 (70201506)
黒川 信重 東京大学, 理学部, 助教授 (70114866)
川又 雄二郎 東京大学, 理学部, 教授 (90126037)
|
研究概要 |
数論的代数幾何の大きな主題である,種々のゼ-タ関数に関して,加藤,黒川,斎藤は次のような結果を得た。加藤は,P進Hodge理論と関係させて,HasseーWeilゼ-タ関数の岩沢理論を一般に定式化した。そしてそれに関連して,LubinーTate形式群のexplicit reciprocity law を一般化して,それをHecke L関数と関係づけることや,楕円曲線のゼ-タ関数の値をP進Hodge理論からとらえることで,MordellーWeil群の有限性についてのKolyvaginの定理の別証と部分的一般化を得た。また,黒川は多重ゼ-タ関数を考察し,特に多重三角関数を研究し,セルバ-グゼ-タ関数のガンマ因子を多重ガンマ関数で表わすことや,絶対値なしのKroneckerの極限公式を得た。黒川の研究はManinやDeningerに大きな影響を与えた。そして,絶対モチ-フ等の理念が現実化しつつある。斎藤は,HasseーWeilゼ-タ関数の局所定数を,相対的Oーcycle群の中の標準Oーcycleと結びつける公式を得た。 代数多様体の分類について,川又はAbundance予想を証明し,3次元代数多様体の分類はここに一つの結着をみた。 川又や中山の,代数多様体の分類理論を,数論と結びつけることは,これからの課題である。 この他,中村による,代数体上の代数多様体の基本群(絶対ガロア群の作用を付す)による特徴づけの研究の進展,加藤による,形式群をそのDindonne加群で特徴づける定理の証明など,代数多様体の数論への貢献がおこなわれた。
|