研究課題/領域番号 |
03452007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小松 彦三郎 東京大学, 理学部, 教授 (40011473)
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研究分担者 |
岩崎 克則 東京大学, 理学部, 助手 (00176538)
東海林 まゆみ 東京大学, 理学部, 助手 (10216161)
砂田 利一 東京大学, 理学部, 教授 (20022741)
小谷 真一 東京大学, 理学部, 教授 (10025463)
片岡 清臣 東京大学, 理学部, 助教授 (60107688)
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キーワード | 微分方程式 / 超局所解析 / 超函数 / 微函数 / 特異性の伝播 / 第二超局所解析 / ラプラス作用素 / シュレロディンガ-作用素 |
研究概要 |
研究代表者は、Gevrey族の超局所解析の基礎理論として、佐藤超函数からGevrey族の超函数を経て可微分函数族までを調和函数の境界値として統一的に表現、この調和函数の解析接続を用いて対応する微函数を定義するという新しい方法を確立した。こうして得られるGevrey族の微函数を用いて、解析函数を係数とする双曲型線型偏微分方程式の解のGevrey特異性及び正則性は、非正則性条件の下で、陪特性帯に沿って伝播すること、また非正則性条件はこの命題が成立するために必要であることを示した。 片岡清臣は、偏微分方程式の超局所解析、特に解の第二解析的特異性の研究を続けてきたが、包合的多様体の場合、従来の柏原正樹ー河合隆裕による第二超局所理論による第二解析性より弱い条件の下で一意接続性等が成り立つことを証明にした。これはG.Lebeauが第二FBI変換を用いて得ていた結果に相当するが、佐藤超函数論の立場からはその意味が明確でなかった。 小谷真一と砂田利一は多様体上のラプラス作用素及びそれに低階項を加えたシュレディンガ-作用素のスペクトルを研究した。小谷は単連結、完備、非正曲率をもったリ-マン多様体上のラプラス作用素のスペクトルの上限が負になるための十分条件をリッチ曲率の言葉で与えた。砂田は定常な磁場を持ちシュレディンガ-作用素のスペクトルの構造を、C^*ー環の性質と結びつけて論じた。 岩崎克則はリ-マン面上のフックス型微分方程式のモジュライ空間の構成を行い、そのモジュライ空間上のモノドロミ-保存な葉層構造を定義し、それを記述する完全積分可能なハミルトン方程式系を導出した。 東海林まゆみは非粘性流体の水平進行波とNavierーStokes流れにおける分岐問題を研究した。
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