研究課題/領域番号 |
03452009
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 正之 名古屋大学, 教養部, 教授 (60022638)
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研究分担者 |
中野 伸 名古屋大学, 教養部, 講師 (40180327)
田中 和永 名古屋大学, 教養部, 講師 (20188288)
三宅 正武 名古屋大学, 教養部, 教授 (70019496)
井原 俊輔 名古屋大学, 教養部, 教授 (00023200)
佐藤 健一 名古屋大学, 教養部, 教授 (60015500)
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キーワード | 対数型ポテンシャル核 / ハント合成核 / 非回帰的半群 / 確率過程の再帰性 / 符号化定理 / 調和関数の境界挙動 / 偏微分方程式の可解性 / 周期軌道 |
研究概要 |
対数型ポテンシャル核に関して本研究の出発点としたア-ベル群上のハント合成核全体の閉包に係るJ.Denyの問題は、Hunt合成核全体の閉包が優越原理を満足するポテンシャル合成核と一致することと、真に対数型であるポテンシャル合成核が存在することとが同値であることが証明され、最終的な解決を見た。対数型ポテンシャル核は、回帰的、非回帰的の中間に位置する半群から生成され、その半群を通じて、確率過程の再帰性と非再帰性と密接に関連している。これに関して、オ-レンスタインーウ-レンベック型の確率過程の再帰性、非再帰性の判定条件を、ずれの行列が単位行列の定数倍の場合に決定し、その一般化にも成功した。また、この結果は、情報理論の基本定理である符号化定理の拡張にも影響を与え、連続時間でフィ-ドバックを持つガウス型通信路においても符号化定理が成立するという成果となった。 対数型ポテンシャル核は、合成型でないとき、境界で特異な挙動を示すことが知られている。これは、古典的な調和関数の境界挙動の研究に大きな刺戟となり、調和関数の境界挙動の決定に、調和関数の重さつきの積分の可積分性、非可積分性が大きな役割を果すことが明らかとなった。 さらに、対数型ポテンシャル核が、ノイマン核を抽象化する操作から生まれたものであり、当然偏滋分方程式論とも深く結びついている。これに関しては、解析的偏微分方程式のジェブレ族空間における可解性をニュ-トン図形の辺の傾きで決定した成果、ハミルトン系の周期軌道の存在の変分法を用いた証明がある。ここでは、代数学的視点、幾何学的から本研究を分担した研究分担者の大きな寄与があった点を強調する。
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