研究課題/領域番号 |
03452010
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
前田 文之 広島大学, 理学部, 教授 (10033804)
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研究分担者 |
宮川 鉄朗 広島大学, 理学部, 助教授 (10033929)
柴 雅和 広島大学, 理学部, 助教授 (70025469)
大春 慎之助 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
内藤 学 広島大学, 理学部, 助教授 (00106791)
草野 尚 広島大学, 理学部, 教授 (70033868)
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キーワード | 楕円型方程式 / 半線形方程形 / 全域解 / Superーsubsolusion法 / リプシッツ領域 / リ-マン面 |
研究概要 |
まず研究分担者毎の研究成果については、草野、内藤により、n次元ユ-クリッド空間R^n上の仮線形および半線形楕円型方程式のR^n全体で定義される全域解の存在についての研究が進み、解の存在に対するいくつかの十分条件が得られた。このうち特に草野による高階方程式の非対称全解の構成は、2階の場合に度々用いられるポテンシャル論的なsuperーsubsolution法の自然な拡張で、高階楕円型方程式の研究に一石を投じたものである。大春は、局所リプシッツ連続作用素の半群の生成定理を与え、いろいろな型の非線形問題が、この生成理論の枠組みで取り扱えることを示した。また、宮川は非有界領域における非圧縮粘性流体を記述するNavierーStokesの方程式および熱輸送を記述するBoussiensq方程式の安定性等についての結果を導くことに成功した。その方法は関数解析的であるが、必要となる線形作用素の値域の性質を調べるのにポテンシャル論的計算を用いた。柴は、種数1の開リ-マン面から同じ種数の閉リ-マン面への等角埋め込みについて研究を行い、等角的埋め込みの全体をモジュライをパラメタとして一つの円板で表したとき、各パラメタの値における極大面積とその点における円板のポアンカレ距離関数の積は一定であるという結果を得た。代表者はこれらとは独立に、リプシッツ領域における優調和関数の可積分性に関する必要十分条件を与えた。一方で上記の協力者による研究成果や他大学の研究者の研究結果をふまえて、調和空間上での各種関数・写像の境界挙動や境界値問題について考察中である。
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