研究課題/領域番号 |
03452013
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
国枝 秀世 名古屋大学, 理学部, 助手 (00126856)
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研究分担者 |
田原 譲 名古屋大学, 理学部, 助手 (10135296)
山下 広順 名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622)
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キーワード | X線天文学 / X線分光 / 回折格子 / 金属多層膜 / 多層膜回折格子 |
研究概要 |
今年度の研究の中心は多層膜生成を、平面基板上および回折格子上に行ない、その性能を評価したことである。また、そのための測定システムの整備も行なった。 1.金属多層膜の生成 山下が持っている蒸着装置を用い、平面基板および回折格子上に金属多層膜を蒸着した。蒸着物質としては、目的とする軟X線(1-10keV)に適した白金/炭素(2d=100A)を用い、10-50層積層した。 2.X線特性試験 上記サンプルを比較のため、基板、回折格子の生地のままと、多層膜生成後について、実験室の特性X線ビームと、分子研のUVSORの連続光を単色化したものを用いて測定した。 (1)多層膜単体:多層膜としての基本的な性能を確認するため、フロートガラスを回折格子と同時に蒸着したもので、設計値から予測されるBragg Peakから数%以内で一致した層間隔の多層膜生成が確認された。反射効率もFactor2以内で達成された。 (2)回折格子:入手した回折格子自身の反射特性をX線で測定した。刻線数は1200本/mmと2400本/mmを測定した。ラミナー型では溝深さによるBragg反射が確認された。また、刻線に垂直ではなく平行な方向から入射させるOff-Plane Mountも試し、予想どうり、通常のMount法より高い反射効率が得られた。 (3)多層膜回折格子:上記回折格子の内1200本/mmのものに白金/炭素(2d=100A)を蒸着した。これにより、多層膜のBragg Peak付近の比較的大きな入射角でも、通常の回折格子では得られない高い反射効率が確認できた。 (3)今後の開発方針 今年度の測定できなかった回折格子の波長分解能の測定を行なう必要がある。特に、最適なX線波長、入射角、測定システムを確立したい。また、現在、一次元で測定しているOff-Plane Mount法の測定を2次元にして、実用化に更に近付けたい。
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