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1992 年度 実績報告書

暗黒物質検出のための低温シンチレータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 03452020
研究機関東京大学

研究代表者

蓑輪 眞  東京大学, 理学部, 助教授 (90126178)

研究分担者 渡邉 隆行  東京大学, 理学部, 助手 (80202414)
キーワードシンチレータ / 低温 / 二重ベータ崩壊 / モリブデン酸鉛 / タングステン鋼鉛
研究概要

モリブデン酸鉛(PbmoO_4)の単結晶を絶対温度100K以下まで冷却するとシンチレータとして有効となる事が前年度までの研究で明らかになっている。この物質を用いて二重ベータ崩壊の予備実験を行った。
一方、このモリブデン酸鉛による放射線エネルギーのスペクトル測定で、α線によると思われるバックグラウンドピークが現れた。これは、結晶中に含まれる^<210>Pbの放射性崩壊によるものと解釈されている。鉛中の^<210>Pbの含有量は鉛鉱石の産地によって大きな違いがあることがわかっているので、鉱石の起源の異なる別のモリブデン酸鉛の結晶を用いて測定を繰り返してみた。この結果、α線のピークの強さは1/30となった。また、理由は今の所不明だがエネルギー分解能も多少改善された。
二重ベータ崩壊の予備実験は、この新しい方の結晶を用いて、地上で装置の周囲を鉛の遮蔽体で簡単に囲んで測定を行った。その結果、ニュートリノの出ない二重ベータ崩壊の半減期の下限値として、8.9×10^<17>年(信頼度90%)を得た。この値は、前述の鉛中の放射性不純物からのバックグラウンドによってほとんど制限されており、1/30に減少したと言っても、この実験のためにはまだまだ多すぎると言える。
その後、モリブデン酸鉛と化学組成の似ている物質、タングステン酸鉛(PbWO_4)も、100K程度迄冷却してやるとでシンチレータとしての性質を示すことがわかった。
それ以外のフッ化物結晶についても各種試みたが、常温でシンチレータであることが知られているもの以外では、液体窒素温度までの低温でシンチレータとなるものはまだ見出せない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Minowa,K. Itakura,S.Moriyama and W.Ootani: "Measurement of the property of cooled lead molybdate as a scintillator" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A. 320. 500-503 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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