研究概要 |
申請書で述べた様に,平成3年度の目標は,メタステ-ブル原子ビ-ムのスピン選別器と試料冷却装置を設計・製作することであった。本年度の実績は以下の通りである。 1.我々が開発を進めてきたメタステ-ブル原子源は,冷陰極放電によるものであるが,ビ-ムを選別する必要上,電極等の改良によりなお一層強度の向上を図った。 2.放電で生成したHe^*(2^3S)を不均一磁場でHe^*(1S↑2S↑)とHe^*(1S↓2S↓)に分ける。このスピン選別器の基本設計(磁場計算等)と部品設計をおこない製作した。現在,磁極の形状や磁場の強さに対するビ-ムの偏向や拡がりについて調べている。 3.液体ヘリウムによる試料冷却装置については,試料まわりの部品設計をおこない,現在調整を進めている。cold headでは〜15Kが実現されたが,試料までの伝導部で散逸があるためか未だ30Kまで下りきっていない。シ-ルド板及び接触を良くすることで当初の目標まで冷却できるものと予想される。 部品設計に少し手間どったので当初の計画から少し遅れぎみであるが,全般的にみると経過は順調である。
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