本年度の目標は、申請書で述べた課題(2)に取りくみことである。以下に述べる新しい現象の解析のために当初計画からは少し遅れ気味であるが、全体としては順調に行っていると言える。 本年度の初期においてLaCoO_3のスペクトルを測定した結果、サテライトと呼ばれる多体効果に基づくバンドがMAESでは異常に強調されて観測された。気体分子でサテライトが強調される現象については既に我々が見い出していたが、凝縮系では初めての結果である。サテライトの帰属をより確実なものとするため、高エネルギー物理学研究所のシンクロトロン放射光を利用して共鳴光電子放出の実験をおこなった。強調の機構として2つ程、第8回個体表面に関する国際会議(1992年10月オランダ)で発表し、現在その詳細について検討している。
|