研究概要 |
本年度は[N(CH_3)_4]_2CoBr_4(以下、N塩とよぶ)の中の陽イオンN(CH_3)_4^+のN原子の代りに,P原子を置換した[P(CH_3)_4]_2CoBr_4(以下、P塩とよぶ)を作成し、その相転移の様子をしらべた。その結果、N塩の物性と大きくちがって、P塩では(1)相転移点T_cが80Kも上昇する。(2)相転移が1次転移になる。(3)極低温まで温度を下げても、単斜晶角の90°からのずれΔβ=β-90°は、ずっと負のまゝであった. 以上の結果は、[A(CH_3)_4]_2XBr_4型結晶のフェリ弾性相転移には、陽イオンA(CH_3)_4^+が重要で,陰イオンXBr_4^-は重要でないことを明確に示すものである。この結果をアメリカで開かれた強誘電体国際会議(メリーランド)で発表したところ、各国の研究者に大きな関心をよんだ.
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