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1991 年度 実績報告書

^3Heー^4He混合液過飽和状態からの相分離ー1次相転移における量子効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03452048
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 武郎  東北大学, 理学部, 助教授 (00004424)

研究分担者 滝川 昇  東北大学, 理学部, 助教授 (00125600)
高木 伸  東北大学, 理学部, 助教授 (90124594)
山口 晃  東北大学, 理学部, 助教授 (60004470)
沢田 安樹  東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
キーワード1次相転移 / 量子揺らぎ / 量子トンネル効果 / 巨視的量子効果 / ^3Heー^4He混合液 / 超低温 / 超流動
研究概要

準安定状態から安定状態への転移は,一様な準安定相の中に,安定相の臨界核が揺動的に発生することによって起こる1次相転移である。この揺動は,通常の条件下では「熱的揺らぎ」と考えられている。しかし,ポテンシャル障壁に較べて充分低い温度域においては,「熱揺らぎ」の効果は有効性を失い,替わって,量子力学が示す原理的「量子揺らぎ」による臨界核形成に伴う1次相転移が期待される。この可能性を、^3Heー^4He混合液系を用いて実証することを本研究の目的として掲げた。
超低温温度域において,^3Heー^4He混合液の過飽和状態を作り出す手段として,ス-パ-リ-クを用いた「超流体移送法」と名づけた実験手段を開発し確立した。この実験手段を用いて,130mKから400μKに至る広い超低温温度域において,^3Heー^4He混合液の過飽和状態からの相分離を定量的に観測することに成功した。
約10mK以下の温度域において,臨界過飽和度は温度に依存しなくなることを見出した。このことは、この温度域で「量子揺らぎ」の領域に入っていることを示すものである。すなわち,我々は「量子トンネル効果」による1次相転移を世界で初めて実証した。
一方約10mK以上の温度域では,臨界過飽和度は温度と共に増大することを見出した。このことは,「量子揺らぎ」領域から「熱揺らぎ」領域への移行という単純な考え方から期待されるものとは,全く逆の温度依存性である。我々は,エネルギ-散逸の効果の可能性,臨界核形成に際して高温域では^4Heがその状態を大きく変化させねばならないことによる効果の可能性,を考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takeo Satoh: "Adiabatic Flow of He II. IV Superfluid Frictional Force Fs" Physica B. 172. 420-427 (1991)

  • [文献書誌] Takeo Satoh: "Adiabatic Flow of He II III.Flow state of ^3He" Physica B. 172. 409-419 (1991)

  • [文献書誌] Takeo Satoh: "Unsaturation,Supersaturation and Demixing in ^3Heー^4He Mixtures" Physica B. 169. 513-514 (1991)

  • [文献書誌] W.Itoh: "New Silver Powders with Large Surface Area as Heart Exchanger Materials" Cryogenics. 31. 453-455 (1991)

  • [文献書誌] Shin Takagi: "Quantum Dynamics and NonーInertial Frames of Reference.IV" Prog.Theor.Phys.86. 783-798 (1991)

  • [文献書誌] Noboru Takigawa: "Interaction Potential and Fusion of a Halo Nucleus" Physics Lett.B. 265. 23-28 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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