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1991 年度 実績報告書

氷床コア分析による過去の温室効果気体濃度の推定

研究課題

研究課題/領域番号 03452060
研究機関東北大学

研究代表者

中澤 高清  東北大学, 理学部, 助教授 (30108451)

研究分担者 青木 周司  国立極地研究所, 助手 (00183129)
キーワード氷床コア / 温室効果気体 / 二酸化炭素 / メタン
研究概要

過去における大気中の微量気体濃度の変遷を推定するために、切削法と融解法によって氷床コアから空気を抽出する装置を製作し、高精度でCO_2とCH_4濃度を定量する技術を確立した。また、これらの技術を用いて、過去におけるCO_2とCH_4濃度の変動を明らかにするために南極みずほコア、やまとコア及び北極サイトJコアの分析に着手した。本年度の結果をまとめると以下のようになる。
(1)開発した融解装置は1kgのコアを約15分で融解させ、放出された空気を完全に回収できる。また、切削装置の空気抽出効率は98%であり、1kgのコアを約2分で切削する能力を有する。(2)抽出した空気はガスクロマトグラフィ-を分析部とした測定システムによって分析され、濃度の定量精度はCO_2について±1.0ppmv以内、CH_4について±10ppbv以内であり、氷床コア分析を行うには十分な精度である。(3)コアの空気含有量の深度分布から推定されたみずほコアの気泡の年代はコアより364年ほど若く、年代幅は約106年であることが推定された。(4)人間活動の影響を受ける以前の南半球のCO_2とCH_4のバックグラウンド濃度はそれぞれ279〜287ppmvと690〜750ppbvであった。(5)CO_2とCH_4の濃度は18世紀後半以降より人間活動の影響をうけて著しい増加傾向を示した。(6)やまとコアの気泡空気を分析した結果はCO_2、CH_4濃度がそれぞれ230〜240ppmvと530〜580ppbvであることを示し、分析したコアが氷期のものであることを示唆した。(7)産業革命前の北半球のCH_4濃度は約750ppbvであり、南半球より約50ppbv程高かったことから、CH_4の自然発生源が北半球に多いということが示唆された。(8)また、現在の南北両半球のCH_4濃度差が125ppbvであることを考慮すると、CH_4の人為発生源も北半球に多いということが予想される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Nakazawa: "Measurements of Co_2 and CH_4 concentrations of air in polar ice core." Journal of Glaciology.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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