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1991 年度 実績報告書

びわ湖々底砂層における地下水頭の地球潮汐的振動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03452064
研究機関奈良教育大学

研究代表者

福尾 義昭  奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30027213)

キーワードびわ湖 / 湖底地下水 / 弾性帯水層理論 / 地球潮汐 / 砂粒塊圧縮率 / 透水係数
研究概要

びわ湖野洲川河口あやめ浜沖約60m平均水深約1.5mの湖中地点(136°E,35.2°N,標高85m)で,湖水位・湖底下1,2,3m深の湖底地下水頭を水圧式水位計(精度1mm)で1988年10月から10分間隔連続記録している.湖水位は降雨によって非周期的に大きく変動し,その上に靜振・風波によって小さく振動している.この湖水位振動は湖底下へ伝播しているのが自記々録にみられる.この伝播の様子は弾性帯水層理論でほゞ説明され,計算の結果湖底砂層の透水係数3.2×10^<-3>cm/s,砂粒塊圧縮率6.5×10^<-2>/atmが得られた.他方,3m深地下水頭の振動には,湖水位変動が穏やかな時に約半日周期の振動が明らかに認められ,この振動は浅くなる程小さくなっているようである.びわ湖靜振の周期は高々4時間であり,また浅くなる程小さくなることから,この半日周期振動の原因として考えられるのは湖底砂層の地球潮汐的な膨張・収縮であろう.あやめ浜沖の湖底砂層の圧縮率は地殻の約10^4倍であるから,この砂層の厚さを10mと見積ると,起潮力によってその厚さは1cm程伸縮する.厚さが伸縮すると地下水は砂粒間隙を流入出する.湖底面近くではあれば湖中へ逃げて地下水頭はあまり変化しないが,湖底下深く,特に砂層下が粘土層で地下水の流入出が困難な状態であれば,地下水頭は有意に振動するであろう.このような推論から,より深い地点の地下水頭を観測すれば,3m深地下水頭振動記録とあわせて,湖底砂層の地球湖汐的伸縮をより明らかに実証できると考え,内径10cm肉厚6.5mm長さ13mの塩ビ製地下水頭測定管を製作し,1992年3月5日に打ちこみを開始した.湖底下6.5m付近で粘土層らしい層に出会ったので,6m深で打ちこみを終り,この管に水圧式水位計(精度1mm)を設置し観測を開始した.来年度はこの6m深地下水頭と從来の地下水頭の観測結果を合わせて整理し,湖底砂層の地球潮汐的伸縮を明らかにしたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Fukuo: "Study on earth tidal oscillation of groundwater head below the bottom surface of Lake Biwa" Water Resorces Research. (1993)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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