| 研究課題/領域番号 |
03452065
|
|---|
| 研究種目 |
一般研究(B)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 研究分野 |
超高層物理学
|
|---|
| 研究機関 | 京都大学 |
|---|
研究代表者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
|
|---|
| 研究分担者 |
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (20210560)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 講師 (30183982)
佐藤 亨 京都大学, 工学部, 講師 (60162450)
菊池 崇 郵政省, 通信総合研究所, 研究室長
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
| キーワード | 電離圏構造 / 熱圏構造 / 季節変化 / 太陽活動度依存性 / イオンドリフト速度 / 子午面内環境 / 大気重力波 / 電子密度ピーク高度 |
|---|
| 研究概要 |
MUレーダーのユニークな高速ビーム走査機能を用いて電離層F領域および熱圏構造の気候学的解明をはかった。内容は欧米のISレーダーでも推定されている諸物理量をアジア域ではじめて推定し経度変化の解明をはかること、およびMUレーダーのみ可能なビーム観測により新しい物理量の推定を試みることにより電離圏の時間的・空間的変動の解明をはかることの2つに大別される。まず前者については、電離圏F領域の電子およびイオンの密度と温度の日変化を異なる季節・太陽活動度に対して解明、この結果を熱輸送の関係式に用いて熱圏温度と密度を推定した。これによりアジア域でも基本的な日変化パターンは他の経度と類似しているがその大きさ、特に熱圏温度は太陽活動度と季節に応じて常に2-156K低い等特色のあることを明らかにした。次いでイオンドリフト速度についても同様の気候学的な解析がなされアジア域での特徴が明解に示された。すなわち、平均的な日変化パターンは基本的に他の経度や従来の経験的モデルとよく合致するが季節による差異がかなりあることが判明した。現在、これらのデータを用いて子午面内熱圏風速の気候学的な解析が進行中である。一方、後者については局所的な電子密度勾配や、F領域ピーク高度面の傾きを推定し大気重力波等、力学的な強制力が原因で発生する電離圏擾乱研究を、詳細に観測し、大気重力波の伝搬方向、規模、周期等を解明した。気候学的な解析から、地磁気擾乱時にはオーロラ起源と考えられる赤道向き中規模重力波が卓越するが、一方静穏時にはほぼ全方向に伝搬する重力波が見い出され局所的、下層大気起源の波であることが示唆された。以上の結果はいずれもMUレーダー上空の局所的現象であり、近い将来ブローバルな変動との対応の解明が待たれる。またピーク高度面に“プラトー"が出現することが発見され、現在その形態についての詳細解析が続けられている。
|
