研究概要 |
太陽地球系プラズマ中の自然電磁現象,また,宇宙プラズマ中における放出ビ-ム,放射電磁波などの能動実験には,3次元構造が現象の物理機構に本質的な役割を果たすと考えられるものがある。これらの3次元的な諸問題に対し、本研究では、我々が従来開発してきた2次元電磁粒子コ-ドを3次元に改良開発し、3次元モデルの計算機実験を行なうことによって取り組む。本年度は研究実施計画をもとに以下の成果が得られた。 (1)周期境界条件を用いた電磁粒子コ-ドの3次元化を完了した。 (2)テストランにより、計算機実験系内におけるエネルギ-および運動量保存の確認,また,磁化プラズマ媒質中における基本プラズマ波動モ-ドの確認を行い,今回開発された3次元電磁粒子コ-ドが正常に動作することを確認した。 (3)応用例として,3次元実験空間中央に円柱状の電子ビ-ムを置いたモデルを用いて、外部磁場を横切るビ-ムの拡散について計算機実験を行なった。ビ-ムの空間的な拡散が、ビ-ム電子の熱速度エネルギ-にほぼ比例するという、従来の拡散理論と定性的に一致する結果が得られた。 本年度は、3次元電磁粒子コ-ドの動作確認及び、テストランということが目的であったため、我々が所有するUNIXミニス-パ-グラフィックコンピュ-タにより、比較的小規模の計算機実験を行なった。また,大容量固定ディスクを新規に購入し、計算機実験において得られる膨大な数値及びグラフィックデ-タを処理,保存するために用いた。3次元計算機実験によって得られる数値デ-タについては,現有の3次元グラフィックコンピュ-タを用いてグラフィック処理し,新規に購入したカラ-ハ-ドコピ-装置によって出力し解析を行なった。
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