研究分担者 |
土谷 信高 東北大学, 理学部, 助手 (50192646)
石川 賢一 東北大学, 理学部, 助手 (20158744)
吉田 武義 東北大学, 理学部, 助教授 (80004505)
永広 昌之 東北大学, 理学部, 助教授 (10124554)
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
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研究概要 |
1)日本列島における白亜紀火成活動の性格を明らかにする研究の一環として,とくに東北日本の白亜紀火成活動の場を構成した,先白亜系の各構造帯ごとの岩石構成・層序・年代・地質構造について検討した. 2)北上山地の深成岩類の微量成分について光量子放射化分析に蛍光X線分析を併用して100個以上のデータが得られた.従来のK_2Oによる分帯区分の特徴は他のインコンパティブル元素にも現われていること,いくつかの微量成分は各帯の特徴をよく示すことが明らかになった.II帯の高Sr系列の岩石はスラブ融解が大きな役割をはたしたことが明らかになり,論文として印刷中である. 3)また,IV帯のプルトンに伴われる火山岩は島弧ソレアイトに比べてNbがやや高く,MORB規格化パターンでもショショナイトのパターンを示すこと,各造岩鉱物の化学組成の特徴も北上山地の一般的な花崗岩とはやや異なることを明らかにし,このようなアルカリに富む岩石の産出が東北日本の白亜紀火成活動のテクトニクスを考える上で重要な意味をもつことについて考察した.論文は印刷中である. 4)基礎的データとして,北上山地の日の神子,栗橋および束稲岩体の詳しい分帯を行い,一部の岩体についてSr同位体年代および初生値の測定を行った. 5)西南日本弧外帯における白亜紀から第三紀中新世におよぶ火成活動の性格について,四万十帯現地性火山活動は活動的大陸縁辺部の前弧側に発達した外縁隆起帯でのバイモーダル火成活動の産物であることを明らかにした.また,メキシコ,中部日本の御岳火山,東北日本新生代地熱地帯の深成岩類などの性質と中生代の火成活動との比較検討を行った. 6)最終年度として,これらの結果を完全な論文としてまとめた.現在受理され印刷中および投稿中のものが数編ある.
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