研究課題/領域番号 |
03452079
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
橘 邦英 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (40027925)
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研究分担者 |
白藤 立 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10235757)
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キーワード | 表面反応計測 / ラジカルビーム / レーザー誘起蛍光法 / 電子ビーム励起蛍光法 / シラン系ラジカル / 原子状ラジカル / シリコン酸化反応速度 |
研究概要 |
半導体材料などのドライプロセスでは、プラズマや光励起によって生成した反応活性なラジカルが、拡散などの過程で基板表面に輸送され、表面での化学反応を経てプロセスが進行する。従来、表面反応の診断はプロセス結果を既存の表面分析法で調べることによって得られる反応前後のスタティックな情報から推定することによってなされてきたが、本研究では、プロセス中での動的な計測を試みた。 すなわち、ラジカルのビームをある入射角で基板に照射し、基板近傍での入射ビームと反射成分の強度や空間分布を、電子ビームやレーザービームを用いた蛍光励起法によって二次元的に計測する。ラジカルの入射ビームと反射成分の強度の比から表面での付着確率を、反射成分の空間分布(余弦分布またはそれからのずれなど)から吸着ポテンシャルなどの相互作用を調べるという実験である。 この目的を遂行するためには、まず、適当なラジカル源の開発が必要となったが、高周波放電によるコンパクトなラジカル源を製作して、真空装置に組み込んだ。次にラジカル密度やフラックスの評価が必要であったが、レーザー誘起蛍光法によって、シランガス系のラジカルSiHn(n=0〜2)以外にも水素、酸素、窒素などの原子状ラジカルの定量測定に成功した。電子ビーム励起発光による検出は現在試みているが、低エネルギー域でのビーム強度が得られず、まだ成功には至っていない。 基板にラジカルを照射した場合の反応計測の例として、フラックスの定量評価がなされた酸素原子ラジカルビームを用いて、シリコンウエハの低温酸化を試みた。酸化の速度を分光偏光解析法によってその場観察することに成功し、その結果と既知のフラックスを比較することによって、酸化反応の速度や機構を議論した。入射ビームと反射成分のレーザー誘起蛍光による二次元計測は進行中である。
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