研究課題/領域番号 |
03452100
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研究機関 | 東京都立科学技術大学 |
研究代表者 |
湯浅 三郎 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (60123147)
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研究分担者 |
後藤 登 東京都立科学技術大学, 工学部, 助手 (50099363)
磯田 浩 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (80012186)
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キーワード | 惑星大気 / ジェットエンジン / 二酸化炭素 / 低圧 / 着火 / 燃焼 / アルミニウム / マグネシウム |
研究概要 |
今年度は、Mgに対する着火・燃焼過程の詳細な観察や表面反応膜の組成分析、反応中断試料の断面形状の観察、CO_2/CO雰囲気中の着火温度の測定等を行った。またAlについて、二酸化炭素流中との比較のためO_2/N_2混合気流中での着火・燃焼過程を調べた。それらの結果、以下の新たな知見を得た。 【.encircled1.】Mgの着火は、反応速度支配の表面反応過程を経て、最終的にはCO_2の拡散によって支配される気相反応過程によって起こる。表面反応過程で最初に形成される薄い保護的な表面膜が着火過程に重要な役割を果たし、これが破れることによって気相反応が開始して着火に至る。 【.encircled2.】燃焼中のMgは、盛り上がった厚い多孔質な層で覆われたおり、その表面上に幾つかの間欠的・局所的な火炎が形成される。火炎領域ではCOが生成されるが、火炎以外の表面ではMgとCO_2や生成されたCOが表面反応してMgOと炭素とからなる多孔質な膜をつくる。間欠的な燃焼が起こるのは、多孔質な膜が急に破裂して一時的に火炎が形成され、その後火炎中で生成されたCOがMgと表面反応を起こして破れた膜を塞ぎ、この過程が繰り返されるからである。 【.encircled3.】CO_2/CO混合気流中でのMgの自発着火温度は、混合気中のCO_2濃度が低下しても初めは殆ど変化せず、混合気中のCO_2のモル分率が0.5以下に低下すると急激に上昇し、最終的にはMgの沸点に於いても着火しない。 【.encircled4.】実際の火星用ジェットエンジン燃焼器の燃料としてMgを用いる場合には、気相中の燃焼生成物であるCOとMg表面との反応によって凝縮生成物が発生するのを避けるため、Mgは極微粒子が蒸気の形態で燃焼器に供給する必要がある。 【.encircled5.】O_2/N_2混合流中のAlの着火・燃焼過程や機構は、本質的にはCO_2流中のそれらと同じである。
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