研究課題/領域番号 |
03452106
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 博將 北海道大学, 工学部, 教授 (80001212)
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研究分担者 |
佐々木 克彦 北海道大学, 工学部, 助手 (90215715)
但野 茂 北海道大学, 工学部, 助教授 (50175444)
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キーワード | 電子デバイス / サブミクロ構造 / 速度効果 / 60Snー40Pb合金 / 疲労寿命 / 塑性ひずみエネルギ密度 |
研究概要 |
1.電子デバイスに要求される力学的特性を調査し、電子デバイス構成材料の力学的デ-タを集計、整理した。その結果、申請者らがこれまでに行ってきた一般工業材料の巨視的熱弾塑性挙動、繰返し塑性挙動、粘性挙動の解析手法を、電子デバイス材料の力学的解析に適用可能であることが判明した。当該年度では、特に電子デバイス材料の中でも熱疲労を受け、最も厳しい使用条件下にあると思われるはんだ(60Snー40Pb合金)の弾塑性挙動および疲労強度を検討した。 2.電子デバイス特有のサブミクロ構造を構成する各要素の材料特性を調べるため、微小材料試験機を購入した。そして、60Snー40Pb合金の弾塑性挙動に及ぼす粘性効果を検討した。その結果、一般工業材料に比べると、60Snー40Pb合金の弾塑性挙動は、速度効果、温度効果が顕著であることが判明した。 3.60Snー40Pb合金の疲労評価のためのモデル実験を、微小材料試験機により室温で行った。疲労試験は、ひずみ振幅、ひずみ速度の異なるさまざまな負荷条件下で行われた。その結果、60Snー40Pb合金の疲労寿命は、塑性ひずみエネルギ密度と一義的な関係となることが判明した。このことは、任意の負荷条件下の塑性ひずみエネルギ密度が計算により評価されれば、疲労寿命が推定されることを示している。 4.そこで、著者の提案している繰返し粘塑性構成式を60Snー40Pb合金へ適用した。その結果、同構成式を用いると、60Snー40Pb合金の弾塑性挙動は、速度効果を考慮した形で的確に表示された。さらに、構成式から塑性ひずみエネルギ密度を算出されるので、60Snー40Pb合金の疲労寿命を解析的に推定可能であることが明らかになった。
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